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2016年度デビュー新種牡馬の分析[タートルボウル、ルーラーシップ、ストリートセンス、ディープブリランテ]

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今月13日・14日、セレクトセールが行なわれ、キャロットクラブは以下の3頭の若駒を落札した。

■1歳馬
エルダンジュの2014(父クロフネ)2,900万円
メジロシャレードの2014(父ジャングルポケット)2,300万円
メジロジョーンズの2014(父タートルボウル)1,000万円

そして来年夏には上記のタートルボウルを含めた新種牡馬がデビューとなる。そこで今回の記事では新種牡馬を分析し、仮説を立ててみたい。

■タートルボウル

社台が導入した海外の種牡馬としては知名度ではやや劣る印象。
現役時代は21戦走って7勝、フランスの3歳最強マイラー決定戦のG1・ジャンプラ賞を勝利したマイラー種牡馬。従来の欧州から導入された種牡馬はクラシックディスタンスで活躍している馬が多く、タートルボウルのようなマイラータイプはやや存在感が薄いのかもしれない。
たた個人的には「クラシックディスタンスタイプの種牡馬よりも、スピードがあるマイラータイプの種牡馬のほうが日本の高速馬場にフィットする可能性はあるのではないか?」という仮説を立てており、このタートルボウルには注目している。ただし脚質としては後方からの差しタイプだったので、スピードで圧倒するというタイプではなかったようなので過信は禁物。

まずセリの感想としては、昨年の当歳セールで最高落札価格が3,000万円、そして今年の1歳馬が2,400万円なので馬産地の評価はそこまで高くない。またこういう場合、当歳から1歳へ評価が急浮上したという形跡もなく、そのあたりの成長度も評価判断の1つの指標にしたい。

その成長度という観点でいえば、タートルボウル自身は2歳時は4戦1勝、しかし3歳になってG3・ジョンシェール賞[芝1600m]を勝利し、続いて前述のジャンプラ賞[芝1600m]を連勝して世代トップマイラーとなる。その後は低迷期もあったが、欧州のマイル重賞で堅実な走りをみせて5歳まで活躍した。このことからするとタイプとしては早熟ではない可能性もあるが、数少ない産駒の中から仏2歳王者決定戦勝ち馬や仏2000ギニーの勝ち馬を出していることから産駒に適度な早熟性があることは一定の評価ができる。ただ全体的には成長スピードは平均、ピークが長く持続しそうな印象で、現時点では「中期的に出資金を回収していくことをメインに、POGでは完成度の高い馬を狙っていく」のが選び方の王道となりそうだ。

血統・配合面でいうと、タートルボウルの母父はTop Ville。Top Villeは日本では種牡馬としては産駒はほとんどいないが、BMSとしてはツクバシンフォニー(NHKマイルC2着)、ダイワカーリアン(札幌記念)、アドマイヤビッグ(東スポ杯2歳S)などを輩出している。
ここで考え方は2通りに分かれる。前記2頭はノーザンダンサー系、タートルボウル自身もノーザンダンサー系。一方、アドマイヤビッグはサンデーサイレンス(ヘイロー系)。基本的にTop Villeはノーザンダンサー系と好相性でこれで血統的に完成されているという見方もできるが、アドマイヤビッグというパターンの登場でSS系と好相性である可能性も残されている点は面白い。少なくとも個人的にはノーザンダンサーが濃く入っていて日本の馬場向き、さらにいろいろな系統との配合の可能性があるという点においては今年デビューのワークフォース産駒よりは高く評価してみたいところだ。

■ルーラーシップ

キングカメハメハの後継種牡馬として期待される1頭。
現役時代は、国内では金鯱賞やAJCCを勝利、G1でも好走、海外では香港のクイーンエリザベスCを勝利している。国内の勝ち鞍は中山・阪神が多めだが、東京のG1でも馬券には絡んでおり、どんな馬場も苦もしないオールラウンダーという点は非常に魅力的。

セリの評価としては、まず「お買い得」という印象がある。
昨年の当歳セールでは最高落札価格が7,000万、昨日の1歳馬セールでは8,000万と最高価格では大きな差はないが、昨年は2,000~4,000万円ぐらいで落札されていた馬が多かったのに対して、今年は4,000~6,000万ぐらいにレベルアップ。全体的に馬産地の評価も上がってきていることは好印象を受ける。
個人的にも昨年のセールの時から「見栄えのする良い産駒が多い」という印象だったので、この産駒にかかる期待は大きい。特に昨年のセールの中では、産駒最高落札だったダンスザクラシックスの2014(オーナーはカレンの鈴木氏)は高い評価をしており、来年のPOGでも注目しておきたい1頭。

血統・配合としては、まだこれから探っていく部分が大きいが、SS系が入っていないので配合に困ることはほとんどないはず。さらにキングカメハメハが体調の問題もあって種付け頭数を減らしたことが、ルーラーシップにとっては追い風となっており、良質な繁殖との交配が多いのも魅力。
個人的には見栄えがする割に、実績がないことから産駒全体の価格は安く抑えられた印象があり、一口馬主などでは種牡馬としての実績がないことは無視してでも積極的にとっていきたい新種牡馬だと現時点では見ている。

■ストリートセンス

父にミスプロ系のMachiavellianを持ち、アメリカで多くのタイトルを獲得した1頭。
2歳時には2006年度の全米2歳チャンピオンに輝き、G1・ケンタッキダービー[ダ10ハロン]、G1・ブリーダーズCジュベナイル[ダ8.5ハロン]などを筆頭に全13戦で6勝を挙げる。

セリの評価はというと、昨年の当歳のセールでは低価格なものの落札はされていたが、今年は1歳馬4頭中、3頭が主取り。しかも残り1頭も再上場でレックスが引き取った形なので、産駒の評価は正直芳しくない。

産駒傾向としてはノウレッジの新潟2歳S2着という実績もあるが、ノウレッジが現在はダートを主戦場にしていること、そしてエルムSを勝ったフリートストリートを輩出しているという点から「基本的にはダートのマイル~中距離型」という見方をしておきたい。

ただこの血統は一概に魅力に欠けるとは言い切れない。注目はMachiavellianとストリートセンスの母父にあたるDixieland Bandの存在。まずMachiavellianというと思い出されるのがグラスボンバー(福島記念)とあまり目立たないが、母父としてはヴィクトワールピサ(ドバイWC)ヴィルシーナ(ヴィクトリアM)インカンテーション・ランフォルセ・ノーザンリバーなどG1馬や重賞勝ち馬を多く輩出している。

そしてDixieland Bandもまた母父としてデルタブルース(菊花賞)フミノイマージン(札幌記念)イジゲン(武蔵野S)など多くの活躍馬を輩出している。
つまり、ストリートセンスの産駒自体はおそらくダート向きだろうが、血統的には芝・ダートともに日本の馬場に非常にフィットする高いポテンシャルを持っている可能性はある。

これらのことから種牡馬としての出だしはかなり厳しいものになりそうだが、5年後ぐらいに「母父ストリートセンス産駒を狙え!」といった見解が出てきていても十分おかしくはない、非常にポテンシャルを秘めた1頭とみる。一口馬主ではたとえばキャロットクラブのような母馬に出資していた人が優先的に出資できるシステムを採用しているところであれば、「ストリートセンス産駒の牝馬をとりあえず押さえておく」という作戦は中長期的に成功するかもしれない。

■ディープブリランテ

これからの競馬界の流れとして「ディープインパクトの後継争い」が大きなテーマになってくるが、その先陣を切るのがこのディープブリランテ。
現役時代は東スポ杯2歳Sを勝利し、共同通信杯・スプリングSで2着になったあと、皐月賞3着を経て、日本ダービーに勝利。ディープインパクト産駒にしては珍しく、かなり馬場が悪かったスプリングSや皐月賞でも大崩れしなかったなど、能力は非常に高かったので産駒にも期待がかかる。

しかし、昨年と今年のセールでは2014年度産駒の最高落札価格が3,700万円と頭打ち気味。SS系種牡馬が飽和しており、繁殖の質にも恵まれなかったというのもあるのだろうが、それにしても個人的にはこの評価は寂しい気がする。これを馬産地の妥当な評価とみるべきなのか、そうではなく不当な低評価なのかは今後、クラブのカタログなどを見て判断していきたいところ。

血統的には現時点では何とも言いづらい印象。
ミスプロ系も入っていて、ディープブリランテ自体も先行力があったのでスピードの裏付けもありそうが、そのミスプロも5代前。どういう系統をつければ正解なのか、馬産地も探り探りの状況。
2014年度産駒の一覧を見ていると、ディープブリランテ産駒の相手の繁殖牝馬の父はクロフネ-フレンチデピュティやホワイトマズル、シングスピールなどのノーザンダンサー系が中心となっている。馬産地の意図としては今年のトレンドでもある「Nothern Dancerの三重クロス」で底力をアップしたい意図は感じられる。今年主流の5×5×5とはならないが、ぜひノーザンダンサーの三重クロス持ちの産駒に注目してみたい。

(文=桜木悟史) @satoshi_style

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2件のコメント

  1. ディープブリランテは個人的に思い入れのある馬なので、成功してほしいです。
    今回のセレクトセールで出た馬では1歳馬のプンティラの2014、当歳馬ではショアーの2015に注目しています。
    どちらもドイツ血統との交配で、先行して押し切る異色のディープ産駒だった父をさらに重厚にした感じを受けます。

    ルーラーシップは自身が獲れなかった国内のGⅠ制覇を産駒に託したいですね。

  2. >sea-biscuitさん
    コメントありがとうございます!
    ハードなローテで引退してしまいましたが、現役のままだったらいい成績を残していたと思うので、そのリベンジを産駒に期待したいところです。

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