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日本と海外の観戦者のスポーツマンシップの違い

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後藤騎手の一件をきっかけに考えたことがある。それは「日本と海外の観戦者のスポーツマンシップの違い」である。

今回の後藤騎手の一件とは直接、関係はないが、日本では騎手に対して野次が多い。これはギャンブルとしての側面があるので仕方がないのだろう。しかし、本当にそれでいいのか疑問は残る。

2012年、私は凱旋門賞を現地で観戦した。その際、非常に驚いたのは勝利した騎手に対して盛大な拍手が送られていた点である。日本でもG1のような大きなレースでは、レース後のウイニングランの際には大きな拍手が起こるが、雰囲気が違ったように感じた。日本の競馬場では馬券を外してからか、すぐにスタンドから離れていく人も多い。しかし、フランスではその場にいた人のほとんどがその場に残り、勝者を讃えていた。つまり競馬をスポーツとして捉えて、観戦している側面が強いのだ。もちろん凱旋門賞当日は普段と違う雰囲気であり、普段の開催日には日本同様、馬券を外して野次や罵声が飛び交う場面もあるのかもしれないが、この違いはスポーツ観戦を考える上で重要なポイントとなる。

競馬を観戦しながらTwitterなどを見ていると、たとえば騎手が詰まったシーンなどではそのミスを責めるような呟きも多い。実際、私自身もミスがあるとそれを指摘するようなツイートをすることがある。一方で、それと比較すると勝った騎手を褒め称える呟きは少ないように感じる。この差はどこに起因するのだろうか。

理由のひとつに、まず「予想」というファクターが考えられる。馬券を買うほとんどの人がレースの結果を予想して馬券を購入する。つまり、馬券を買った馬・騎手が勝つのは想定内であり、逆に凡走することは想定外である。想定内の出来事に過剰に反応する人は少ないだろう。それに対して自分が思い描いていたものと異なる出来事があれば、声を出したくなるのは当然だろう。そうした感情が野次や罵声を生み出している可能性はある。

ただ、それ以上に理由として大きいのは「日本人特有のメンタリティー」ではなかろうか。違うスポーツにはなるが、かつてプロテニスプレイヤーのクルム伊達選手は日本人の観客に対して「ため息をしないで欲しい」とコメントしたことがある。ポイントを奪われたり、ミスがあるとため息を吐く観客に対して注文を出したわけである。これをわざわざ日本の観客に対してコメントを残した点は注目に値する。つまり、ひとつの仮説として「日本人は失敗やミスにフォーカスしやすい」という特徴があるのではないだろうか。

スポーツ観戦のスタイルは個々の自由だろう。しかし、スポーツ選手のコーチング理論などの観点から考えると「ファインプレイを讃える」という行為を多くした方が選手たちのプレーは向上しやすいという点は忘れるべきではない。ミスを責めると、どうしてもミスを恐れるようになり、プレーに大胆さが生まれなくなる。

そして、もっとも恐れるべきは今回後藤騎手に対して「落馬王!」と投げかけたような、もはや野次とは言えない汚い言葉が選手の耳に入ることだろう。もちろん彼らはプロであるので、そうしたプレッシャーに負けない精神力を求められる部分もある。しかし、彼らも人間である以上、今回のような悲劇が再び起こるとも限らない。そうである以上、見る側が態度を改める必要がある。

私たちが選手のいいプレーを見たいと願うならば、まずは私たちがスポーツに対する意識を変え、応援の仕方や歓声を変えていく必要がある。

(文=桜木悟史)

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