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プロジェクトファウンター(発起人)のJRA角居勝彦調教師

TCCはどんな取り組みをしているのか?~サンクスホースデイズin馬事公苑

| 2件のコメント

先週11/3(祝)、東京・馬事公苑でサンクスホースプロジェクトの一環として「サンクスホースデイズ」というイベントが行なわれました。

今回、私、桜木がTCC(サラブレッドコミュニティクラブ)のボランティアとして参加してきました。それを通じて、改めて知ったこと、理解したことなどをお伝えしていきます。

■サンクスホースプロジェクトとは?

サンクスホースプロジェクトは、競走生活を終えた競走馬たちのセカンドキャリアをサポートしていくプロジェクトです。JRAの調教師・角居勝彦先生が発起人となってプロジェクトが始動しました。

プロジェクトファウンター(発起人)のJRA角居勝彦調教師

プロジェクトファウンター(発起人)のJRA角居勝彦調教師


一口馬主などをやられている方ならその状況を理解されている方も多いかと思いますが、一部の一握りの馬は種牡馬や繁殖牝馬として生き残れる一方で、大多数の馬が行方知れずになってしまうというのが競馬界の現状です

今回のイベントでも角居先生がご自身の体験として「あそこで勝たせられていたら…」というような経験も多かったそうです。たとえば重賞を勝っていれば引退馬への助成金などが支給されまずが(要申請)、重賞2着以下であれば助成金などは得られません。その小さな差で競走馬の未来が左右されてしまうわけです。

TCCのブースに福永騎手も応援に来てくださいました!

TCCのブースに福永騎手も応援に来てくださいました!


ここで大きなネックとなるのが「費用」です。この部分を解決していくために始まったのが今回のプロジェクトというわけです。

■なぜそんなにお金がかかるのか?

馬の飼育にはどれだけお金がかかるのでしょうか?

わかりやすいところでは「えさ代」「馬房管理&馬房清掃などの人件費・光熱費」「去勢手術代」「馬の運搬費用」「医療費」などなど。この部分がネックとなって、引退後まで面倒を見きれないというオーナーの方も多くいます。

そしてポイントとなるのが【リトレーニング費用】です。リトレーニングという言葉が聞き慣れない方も多いかと思います。

リトレーニングとは、乗馬向けに矯正していくトレーニングです。競走馬は速く走ることが追求されます。その一方で乗馬は速く走ることは求めません。ですので、これまで前へ前へと働いていたエネルギーを緩和するために、ハードルなどの障害を飛ばしてエネルギーを上へと逃がす練習もするそうです。このトレーニングは根気がいるもので、一朝一夕で身につくものではないとのこと。一口馬主では引退通知で「乗馬」と記載されているケースがほとんどですが、簡単には乗馬になれないということを私たちは改めて認識していくことが大切だと言えそうです

このリトレーニングでは通常1年ほどの期間が必要ということで、その分だけ多くの費用がかかります。その費用についていろいろな形で協力していこうというのがこの「サンクスホースプロジェクト」です。

■TCC Fansで引退馬を応援する

まずひとつの方法はTCC(サラブレッドコミュニティクラブ)で引退馬を応援する方法です。

▼TCCとは?
https://www.tcc-japan.com/entry/

上にも書きましたが、たとえ一口クラブで募集された馬でも引退後の生活がはっきりと開示されるケースはごく少数です。乗馬として大学や乗馬施設などに引き取られて、引き取り側の都合で情報が開示されないケースもありますが、地方競馬などに転籍後、本当に行方不明になるケースも多くあります。一口馬主であれば自分の愛馬の引退後の情報も気になるでしょう。そこでTCCでは、引退した馬を一旦引き取り、その後の情報開示に関して責任を持ちます。

サンクスホースプロジェクトではホースセラピーなどの療育分野にも力を入れている。写真は車いす使用者のための馬車。

サンクスホースプロジェクトではホースセラピーなどの療育分野にも力を入れている。写真は車いす使用者のための馬車。


TCCでは2種類の方法で引退馬を管理します。

1つは「TCCホース」として、会員が直接お金を拠出して引退後も世話をしていく方法です。

TCCでは不定期で引退馬のファンドを募っています。一口4,000円/月で40口分のオーナーが集まるとTCCホースとして成立します。

TCCホースには以下のような特徴があります。

1:引退後の近況・繋養先情報などが開示される
2:オーナーは繋養先の乗馬施設に会いにいける
3:乗馬施設などで特別料金で乗馬も可能

TCCホースとなった場合は、まず岡山の吉備高原にあるリトレーニング施設で乗馬馬としてのトレーニングを積んだあと、サンクスホースプロジェクトと提携する全国の乗馬施設などに移動して、乗馬馬としてのセカンドキャリアを歩むことになります。

実は私も先日、角居厩舎で活躍していたリベルタスのオーナーとなりました。このサイトの昔からの読者の方はご存じでしょうが、リベルタスといえばあのローエングリンの弟!当然POGでも指名しましたし、朝日杯はリベルタスからの馬券を握りしめて爆死!そんな過去もありますが(笑)、そんな縁ある馬に将来的に跨ることもできるというのはとても魅力的なことだと思います。

朝日杯当時のリベルタス

朝日杯当時のリベルタス


ここで、少し問題点も挙げておきます。それは「ファンド募集時点では繋養先は不明である」という点です。リベルタスは現在、岡山県でリトレーニング中ですが、来年以降、全国どこかの乗馬施設に移動することになります。それがどこになるかによって気軽に会いにいけるかが決まるので、この点はある程度、割り切ってファンドに申し込む必要があります。

そして、今回TCCの方にもご提案しましたが、たとえば「その馬が馬術の大会などに出る場合の情報も開示する」というもの、こういうこともやっていって欲しいところです。馬術の大会に出るようであれば、愛馬の活躍する姿を見に行ける可能性が高くなります。このあたりはぜひTCCに頑張って欲しいところです。

また今後TCC会員の方向けに乗馬の講習会なども行なわれる予定もあるということで、これを機に好きな馬に乗ることを目標に乗馬を始めてみるというのもいいかもしれませんね。

そして40口に達しなかった場合も、リトレーニングが行なわれ、その後、セールなどを通して乗馬施設などへ移動し「サンクスホース」として近況が開示されます。

■TCC以外で応援する方法

ただ現実問題として、私とリベルタスのように思い入れがある関係であればTCCに申し込めばいいと思うのですが、月4,000円の負担というのもなかなかの負担であることは確かです。

TCCではファンドに申し込まず、月1,000円の会費だけを支払い馬たちのセカンドキャリアを応援する方法もありますが、別の方法もあります。

それが「ふるさと納税によるセカンドキャリア支援」です。

▼吉備中央町のふるさと納税ページ
http://www.furusato-tax.jp/gcf/89

詳細については、上記ページをご確認頂きたいのですが、行政として引退馬のリトレーニングを応援している吉備中央町へふるさと納税すると、ピオーネなどの岡山の名産品岡山乗馬倶楽部の会員権などがもらえます。なんと500万円以上の納税をすると角居先生と北海道の馬オークションに同行できる特典もあるとか!さすがにこれは自分には無理ですが、貴重すぎる特典ですね!(笑)。

TCCもまだまだ始動したばっかりのプロジェクトですし、これからどんどん問題点も改善も出てくると思います。今後もこのサイトではTCCの取り組みについて皆さんに情報をお伝えできればと思います!

(文=桜木悟史) @satoshi_style

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2件のコメント

  1. 大変意義のある取り組みだと思います
    毎年、POGで今年の2歳はどんな馬がいるんだろうとワクワクする裏側で勝てなかった馬達が入れ替わりでターフを去っていきます
    この活動で引退馬が活躍できる機会が増えることを願います

  2. JRAは誰のお陰様か良く考えるべきと思っています。引退時、全ての子にせめて幾ばくかの持参金を切に願います。溢れる程の上がりがあるのですから。億の賞金が出せるのでしょその少しで良いから。お願いします。

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