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第84回 日本ダービー(2017年)観戦記

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あの歓喜の日からもう1週間が経とうとしています。

周りの方は「とてもいい時間を過ごしているんだろうなぁ」と思われるかもしれませんが、POGを主催している立場だとまったく息つくヒマはありませんで、前期の成績の集計に、ページの更新、ドラフトの集計と、例年通りの忙しさに血反吐が出そうになっております(苦笑)

でも、せっかくのダービー制覇ですから、思い出に残す意味で当日の思い出を文章にしたためておきたいと思います。

■今年の開門ダッシュに参戦!

もはや毎年の恒例行事になりますが、ダービーは始発電車で府中競馬正門前駅に着いて、列に並びます。特に予定はありませんが、結婚したらこんなことできなくなりますから、たぶん来年も頑張ると思います。

でも、今年の開門ダッシュは少し面白かったです。前年に比べて「メンバーがしょぼい」みたいな風潮があって、開門ダッシュはラクなんじゃないかなと予想していたのです。実際、来場者数は少なかったのですが、開門ダッシュだけは明らかに去年よりも人が多い。

いつもはスタンド席狙いなのですが、今年は「レイデオロをパドックで撮影したい!」という思いからパドックの最前列狙いでいきました。結果をいうと、始発でもパドック最前列は余裕でした。レースまでのトータルで見てもパドックはダービーとしては空いていることは確かでしたが、深夜組だけ増加している不思議なダービーだったと言えます。

■今年はイベントが縮小傾向

今年はダービーdayのイベントが縮小・変更しているものが多かったですね。

まぁ個々については感想は控えますが、少しだけ苦言を言わせて頂きますと「馬券を買うことが条件のイベントが多すぎ」ということはJRAには言っておきたいと思います。

ほぼすべての抽選が【当日購入した馬券の提示】が参加条件になっているわけですが、発売開始の9時20分以降の場内の列の形成っぷりは異常。開場した7時25分からの時間を持て余していた状態から、9時半以降の忙しさはハンパなかった。おかげで1,2Rは満足に観戦することができませんでした。どうせ廃案になるでしょうが、民進党が「未成年の入場禁止」というアホな法案を出してきますから、そこを突かれないように【未成年・馬券未購入者でも楽しめるイベント】を充実させてみてはいかがでしょう。馬券を買わなくても競馬場は楽しいところだと思いますよ。

今年のJRAは、CMに始まり、京王線の新宿駅のホームドアに出走馬のラッピングを行わなかったこと、さらにベストターンドアウト賞の中止。そして場内で行なったキングダムコラボで枠順抽選券をすべてさばききれなかったこと、プロモーションに関しては大ハズレでしたね。ダービーを勝たせてもらってこんなことも言うのも申し訳ないですが、プロモーション担当の方は猛省をしていただく必要があると思います。

ちょっと愚痴が続いてしまいましたので、レイデオロの話に入っていきたいと思います。

■状態としては完璧。しかしハプニングが…

まずお昼休みは、毎年の楽しみにしていますが、ウイナーズサークルで行なわれるジョッキー紹介を見ていました。Twitterでは呟きましたが、この時点でアルアインの松山騎手は想像以上に緊張しており「これはヤバいな」と感じました。やはりダービーの重みがずしりとのしかかっていたと思います。あと有力どころでは、デムーロ騎手も例年に比べるとテンションが低め。これはあくまでも個人的な推測ですが、馬の状態に不安があったか、陣営からとやかく言われて本番に対して腹を括れきれなかったのかもしれません。

それと対照的だったのがルメール騎手。入場してから終始にこやかな表情で、隣の戸崎騎手と談笑する余裕もありました。その前日から芝のいいところを通る練習をしていましたし、結果も出ていたので本当に自信があったのだと思います。毎年見ていないと、なかなかその変化には気づけませんが、騎手たちの微妙な表情の違い、なかなか面白いものです。
Lemaire
そして、そのあとはずっとパドックで待機してレイデオロの登場を待ちます。

最初に入ってきた時のレイデオロを見た感想は「完璧!」。馬体うんぬんではなく、精神状態が過去最高に良かったですね。いつものうるささがまったくなく、それでいて眼には闘志が宿っていて、これまで見てきたレイデオロとは比較にならないほど良い状態。戦前にポイントにあげていた汗の量も、それなりに汗はかいていましたが、皐月賞当時と比べれば断然マシで、「これならイケる」と確信しました。

ただ、ここで予期せぬハプニングが発生します。パドック上空をヘリが飛び始めてから、一気にレイデオロのテンションが上がり始めます。一応、公式コメントではオーロラビジョンに驚いたとありますが、反対側を通ってる時も嫌がっていたので自分はヘリの音が嫌だったと推測しています。このあたりは次回以降、チェックしてみたいところです。

テンションが上がったレイデオロはパドック中央の人混みに突っ込みそうになるなど、なかなかの暴れっぷり。これで「レイデオロはダメだ」と思った方も多いでしょう。私もあの時点で「厳しくなってきた」と感じました。ただ、ここでの藤沢先生のリカバリが見事。すぐに2人びきに変更、この時点でもまだ落ち着ききらなかったのですが、そこで藤沢先生がレイデオロに近づき、何かを語り掛け、そしてスタッフにも何かを指示しました。すると、その後は馬はすっと落ち着き、周回を重ねて本馬場へと向かいます。藤沢先生が名伯楽と言われる所以を垣間見た気がします。
ReydeOro_3

■ルメール騎手の神騎乗

レースはまずスタートが最大の難関でした。輪乗りでも暴れることがなかったので大丈夫だと思っていましたが、蓋を開けるまでは心配でした。ただ今回は5分に近いスタートを決め、さらに前回進路を奪われたカデナが内に寄れてきたのを跳ね返して、ポジションをキープしたルメール騎手はお見事の一言。ここは皐月賞と同じく、馬がかからないことを確信して押して行けたからこそのポジション取りでした。

ただ、この直後、私も隊列の異変に気付きます。行くと予想されていたクリンチャー・トラスト・マイネルスフェーンではなく、先頭を走っているのはマイスタイル。想定こそしていましたが、想定していた中では最悪のシナリオでした。そしてレイデオロは14番手。想定では遅れていても10番手ぐらいの予定だったので、最悪に近いポジションにいました。

しかし、この先は皆さんご存知の通り。私は現地のモニターで観戦していましたが、他の方が「早すぎだろ」とざわめく中、この最悪を最高に変える騎乗にひとり「よし!それでいい!」と叫んでしまいました。もうこの時点で胸が熱くなりました。結果がどうあれ、この騎乗は騎手が馬を信頼していないとできません。それほどにルメール騎手が自分の愛馬のことを信頼してくれていることが伝わり、「このコンビでダービーに挑戦できてよかった」と思えた瞬間でした。

直線入り口をほぼ先頭で迎えたとき、内で抵抗するマイスタイルには正直ビビりましたが、それ以上の心配はありませんでした。これまでデビュー戦からレイデオロは後ろから抜かれたことがありませんし、今回も大丈夫だと思っていました。一瞬、スワーヴリチャードのほうが脚が優勢に見えるシーンもありましたが、ルメール騎手は余裕だと感じていましたし、この仔の最大の武器は闘争心です。並びかけられたらまず大丈夫だろうと。そして1/2馬身差ぐらいに詰められたところから、さらに突き放して3/4馬身差でフィニッシュ。

もうこのあとのことはあまり記憶にありません。気付いた時には泣いていましたね。これまで愛馬の勝利で泣いたことはありませんが、それだけダービーというレースは大きい存在でした。
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■桜木の視点

今回のレースについてはルメール騎手の神騎乗ばかりがフォーカスされがちです。そこに異論はありませんが、レース全体の評価や、出資者視点での話を書いて、この記事をまとめたいと思います。

まずレースレベルは、タイムだけで測っても仕方がないと思います。差し馬というのは自分で時計を決めることができませんから、これは仕方がないことでしょう。また「今年の3歳馬牡馬勢いはレベルが低い」という見解があります。個人的には、そもそもこの世代比較論がものすごく嫌いで(結局は個体同士の争いなので価値がない議論だと考えている)、そもそも「世代の間で牝馬の活躍が目立った→今年の牡馬はレベルが低い」までは理解できますが、それが「今年の牡馬は去年と比べてレベルが低い」は論理的ではありません。こういう議論をわいわい言うのも競馬の楽しみかもしれませんが、結局、この世代の中に古馬に勝てるような馬もいるし、勝てない馬もいる。結局は個体の問題でしょう。「この世代はレベルが高い・低い」という杓子定規で馬券が取れたら苦労しません。

レイデオロ自身の話にしても、「ホープフルSのレベルが低い」だの言われ続けてますので慣れましたし、確かに現時点では古馬とまともに戦えるかわかりません。少なくとも、現状古馬の一線級にいるキタサンブラックやサトノダイヤモンドに劣ることは間違いありません。ですから秋は国内に専念するという陣営の判断は正しいでしょう。ただ、今回のレースもパドックでのハプニングもあり、あそこで体力を消耗したことは事実です。そして、その一方で着実にレースに向かう精神状態は成長していますし、ゲートも新馬戦などから比べたら本当に上手になっています。いまだに1戦1戦、成長を感じ取れているので、この先も成長していけば古馬にも通用する可能性は高いと思います。

出資者目線でひいき目な見解を言わせてもらうと、皐月賞のような高速決着に休み明けながら5着と善戦し、今回のようなスローの展開で自ら動いて勝利を勝ち取れる馬はなかなかいないでしょう。皆さまがレイデオロの本当の能力に気付くまで馬券で美味しい思いをさせ続けてもらおうと思います(笑)
baken
あと相手関係についてですが、まず2着のスワーヴリチャードですが、こちらは今回のレースを見て、はっきりこちらが上だと考えています。スワーヴリチャードのほうが内枠からロスのない競馬をしたにもかかわらず、最後の直線ではレイデオロがまっすぐ走り続けたのに対して、あちらはヨレるなど内容としてはこちらのほうが上だと判断します。現時点の完成度の問題もあるでしょうが、こちらは右回りにも対応できますし、総合力ではこちらが上でしょう。

アドミラブルに関しては、今回はこちらのほうが内側の発走だったので、今後レースによって着順が入れ替わる可能性はあると思います。今後もいい勝負を続けたいライバルです。

あと皐月賞馬アルアインは仕掛けどころで失敗しましたが、それでも5着ですからやはり能力は高いです。2000mぐらいなら、やはりこちらもいいライバルになると思います。今回こそ松山騎手は不完全燃焼でしょうが、毎日杯は間違いなく松山騎手の好リードですから、陣営にはこれで騎手を変えるのではなく、「このコンビで我慢強くレースに使っていって欲しい」といち競馬ファンとして感じます。

あと、今回のレースのスローペースについて一言だけ。スローペースの罠にハマって動けなかった騎手が多かったわけですが、その象徴だと感じたのがフジテレビの岡部騎手の一言でした。岡部騎手はレース後に「ルメール騎手はかかっているのをよく抑えましたよ」という旨の発言をされていましたが、レイデオロは今回のダービーでは一瞬もかかっていません

岡部騎手はパドックから見ていて、レイデオロがテンションが高かったのを見てしまったから、あのような発言をされたのでしょうが、出資者の目線で言わせればレイデオロはスタートからゴールまでルメール騎手の言うことをきき、完全に制御されていました。それを「かかっていた」と発言するのは、レイデオロのレースをこれまで1回も見たことがないか、レース映像を見ていなかったとしか思えません。400口の一口馬主がこんなことを言うのはおこがましいですが、競馬界のレジェンドと言われる大物騎手が、かかってもいない馬をかかってると言うのですから、日本人騎手が「折り合う=自分のポジションを守る」という勘違いに縛られるのは当たり前かもしれません。ですが、そうではないということを多くの競馬関係者に伝えたダービーでもあったように感じます。

(文=桜木悟史) @satoshi_style

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