【はじめに】
まだカタログなどを確認していない時点の、血統情報の字面だけで評価しているメモとなります。カタログ・ウォーキング動画・ツアーなどの情報を踏まえた最終的な判断についてはnoteに記す予定です。
そちらで紹介する馬とこちらに記載されている馬が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
シャワークライムの24
シャワークライムの2024
父:サリオス
母:シャワークライム (8歳)
母父:ローエングリン
牡馬
社台レースホース(関東)
募集価格:2,800万円
前提としてローエングリンのBMS成績は低調。そこを飲み込みつつ、穴っぽい馬として本馬をチョイス。
シャワークライムという繁殖牝馬の血統的な特徴はGlorious Songを経由するHaloクロス。これを継続することで日本競馬向きのスピードを発現できます。
そうした配合的な観点から、父がSSを内包しないルーラーシップから、SS系のサリオスに変わったことで一変の可能性あり。
1つ上の兄は昨年のツアーで見て、初仔らしい小柄な馬だったと記憶していますが、馬体のフォルムは整っていました。2番仔になったことで、シャワークライムが当たり繁殖だった場合はお値段以上の掘り出しものになりそうです。
配合の方向性も芝のマイル路線と明確で、魅力的な配合に映ります。
ハローユーの24
ハローユーの2024
父:キタサンブラック
母:ハローユー (5歳)
母父:Invincible Spirit
牡馬
社台レースホース(関西)
募集価格:1億円
本年度の社台サラブレッドクラブで最高価格の募集馬ですが、配合的には活躍できそうな下地が揃っているとみます。
「キタサンブラック+Danzig」は近年、ソールオリエンスやクロワデュノールを輩出している組み合わせ。加えて、本馬はボトムラインの血統構成が日本に合いそうな形。
「キタサンブラック+Seeking the Gold」は紫苑S勝ちのクリスマスパレードと共通。ボトムラインにアメリカンなスピード豊富な血が入っているものは良いでしょう。
本質的にはコーナー4つの競馬が合うタイプで、直線に向いた時の加速やトップスピードがどれぐらい使えるのかは未知数ですが、良いスピードを維持できる先行型の中距離タイプだと予測します。
マスクオフの24
マスクオフの2024
父:モーリス
母:マスクオフ (15歳)
母父:ディープインパクト
メス
社台レースホース(関西)
募集価格:6,000万円
基本的にモーリス産駒の牝馬はコスパが悪いものの、その中で例外的に稼いでいるのが母父ディープインパクト。「モーリス+母父ディープインパクト」はジェラルディーナ・ディヴィーナなど、重賞ウイナーを輩出。
マスクオフの優秀さは改めて説明する必要はないですが、姉のマスクトティーヴァの極上の切れ味を生み出している部分は、ボトムラインに流れるミスプロ系の速い血が効いているように映ります。
母年齢はそろそろギリギリの領域ですが、父が非ミスプロ系に替わっても、魅力的な配合だと言えます。
ガロシェの24
ガロシェの2024
父:シスキン
母:ガロシェ (8歳)
母父:ルーラーシップ
牡馬
社台レースホース(関西)
募集価格:3,000万円
母のガロシェは、ノーザンテーストのクロス持ちらしい上がり1位がないキレない・バテない牝馬。今回配合の評価したい点は、そのノーザンテーストのクロスを継続していない点です(トニービンのクロスも継続していない)。
一方で、シスキンの強みであるFappianoのスピードを、母父のルーラーシップで呼応させたり、爆発力を生み出すEl Gran Senor・トライマイベストの全兄弟クロスを配するなど、配合として高く評価できる点が散りばめられています。
シスキン産駒だけに、32秒台のようなキレキレの上がりを使うような馬にはならないとは思いますが、東京や阪神でしっかり末脚が使えるタイプとなりそうです。
個人的には良い配合にもかかわらず、3,000万円という値付けが「安くないか?」と思わせる部分もあり、馬体や測尺がどんなものか気になる1頭です。
ブロンクスシルバーの24
ブロンクスシルバーの2024
父:ダノンキングリー
母:ブロンクスシルバー (13歳)
母父:クロフネ
メス
社台レースホース(関西)
募集価格:2,800万円
この馬に関しては、おすすめというよりは、個人的に数年後に振り返ってみたい1頭という扱いです。
配合的には、父方にStorm Cat、母方にクロフネという形は、Storm Catの瞬発力で好発をきって、クロフネの持久力で粘り込むイメージ。この形は、数年前にキャロットクラブの募集でピックアップしたフェブランシェと同じ型です。
エルコンドルパサーが入っており底力を感じる牝系で、2代母のラピッドオレンジのように交流重賞まで出れるレベルになったら面白うだろうなという1頭です。
この馬で判断に迷う点は【ダノンキングリー産駒にダート適性があるのか?】という点。
ダノンキングリーをイメージしてしまうと、まったくダートのイメージは湧きませんが、ダノンキングリーの兄はダノンレジェンドとダノングッドなどダート戦線で活躍した馬たちであり、配合ひとつでダート向きになってもおかしくない気がします。
アマルフィコーストⅡの24
アマルフィコーストⅡの2024
父:War Front
母:アマルフィコーストⅡ (8歳)
母父:Tapizar
牡馬
社台レースホース(関西)
募集価格:3,600万円
父父の欄にDanzigがいるというビックリな1頭。母のアマルフィコーストⅡはカナダの芝スプリント重賞を制した馬で、能力の方向性が明確ということで、社台サラブレッドクラブの○外からはこの馬を選びたいと思います。
配合としても、War Frontが持つRubianoの部分を、Tapitの母・Tap Your Heelsで呼応させる、スピードという長所を伸ばそうとする素直な配合だと言えます。
判断に迷う部分は2点あって、ひとつは本馬の適性が芝向きとは言い切れない点。ダートに振れる可能性は大いにあるでしょう。
そして、もうひとつの懸念は体質面。本馬はWar Frontが21歳時に種付けした馬で、種牡馬が高齢となった時に遺伝力が落ちるのかはわかりませんが、気になる点です。実際、現5歳の同産駒のプロトポロスは、体質こそ問題はありませんが骨盤骨折になるなど弱い部分もあり、不安に感じる部分はあります。
初仔ということで、繁殖側の実績もないので、ギャンブル度は高いものの、配合は面白い馬だとジャッジします。
社台に関しては、そもそもノーザンと違って王道のクラシック路線狙いというよりは、ダート路線や古馬戦線などに当たりがいるので、意図的にそういった路線の馬を選びました。
そういう意味では、めちゃめちゃ出遅れで大味な競馬しかできなさそうなタヒチアンダンスの23(父ナダル)あたりも配合的に面白そうな1頭です。
(文=桜木悟史)
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