春には重賞挑戦も果たしたサーマルウインドの秋の復帰戦を現地で応援してきました。本来であれば、夏の東京開催を使う予定も体調が整わず、さらに休養の延長や帰厩後のトラブルなどもあり、決して順調とはいえない復帰戦でしたが、2着という結果になりました。
パドックに出てきたサーマルウインドは、最初からテンション高め。目も血走っていました。
未勝利勝ちの頃も集中力がそこまでないタイプでしたが、今回の荒ぶりは過去イチだった気がします。
ひさしぶりの競馬で気合いが入りすぎていたというのもあるでしょうが、今回のレースは1番の馬が歩くのが遅いために全体的に馬と馬の間隔が詰まっており、前の馬がしっぽを振るたびに嫌がる素振りをしていたのが大きかったように映りました。
荒ぶるサーマルウインドお嬢様 pic.twitter.com/UCi1Oqc6Kr
— 桜木 悟史 (@satoshi_style) October 16, 2022
今回のパドックでは、サーマルウインドの馬体の成長がようやく見られたのがよかったと思います。
これまでは馬体の大きさばかりが目立って、あまり馬体で褒めるべき点がなかったのですが、夏を越して後脚をしっかり前に踏み出すことができるようになりました。
サーマルウインドは、全体的に前脚を掻きこむ推進力が強く、一方で後脚で蹴る力があまり地面に伝わらない部分がウィークポイント。
このあたりがマイル戦でも長く末脚を持続できた要因。今回のレースでも、前脚で掻きこむのが疲れてきて、結果的に後脚を使うようになってから伸びてきたので、このあたり馬自身の意思で後脚を使えるようになると、もっとパフォーマンスが上がるはずです。
パドック周回後は北村宏司騎手が出てくるも、あえて騎手を乗せずに地下馬道へ。こういう細かい判断ができるあたり、奥村武厩舎は「うまいな」と感じます。
本馬場入場でもカニ歩きをするなど、精神面でもう少し成長があるといいのでしょうが、サーマルウインドの場合は、こういう気性的なうるささが前進気勢にもつながってるでしょうし、このあたりは個性として大切にしていってもよいように感じます。
戦前、初めての古馬との対戦でどうなるか心配していましたし、向こう正面ではメイケイエールを彷彿とさせるかかりっぷりを披露し、直線ではなかなか前との差が詰まらず、ズルズルと下がっていきそうなところから1馬身差の2着。
いまだにつかみどころがないお転婆娘ですが、ようやく馬体的に成長してきてきましたし、あれだけかかっておきながら2着に食い込んだことは評価できます。次走も頑張って欲しいですね。
■レース内容分析
・距離はマイルでも問題ない。気性次第で1800mは許容範囲
・コーナーでスピードが上がらないのでワンターン競馬が理想
・まだ鞍上の意図通りにはギアを上げられない
・追っても追ってもなかなか伸びないので、騎手はめちゃ疲れる(笑)
・将来的には内田博幸騎手あたりが乗るとガッツリ追ってくれそう
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