ファインニードル産駒の特徴&配合考察 [2023年1月]

競馬コラム

先週のジュニアCでクルゼイロドスルが優勝。ファインニードル産駒の可能性について考察してみたい。

ファインニードル産駒の成績

今年の3歳が初年度産駒となるファインニードル産駒だが、ここまでウメムスビクルゼイロドスルの2頭がOP勝ちを果たしている。

さらに見ておくと、3歳世代はnetkeibaに65頭が登録されており、その内、8頭が勝ち上がり(4頭が中央)となっている。中央の4頭で6勝をあげており、クルゼイロドスルのマイル2勝を除けば、すべて1200m勝ちとなっており、父同様にスプリンター適性が強めに出ている。

65頭中8頭の勝ち上がり、筆者の場合は中央での勝ち上がりで計算するので、.061という数字はかなり物足りない印象。ここの数字が上がってこないとなかなか評価しづらい。

ファインニードル産駒の配合考察

ファインニードル産駒でどんな路線を狙うかにもよるが、まずシンプルに芝の短距離路線を狙う配合。

ファインニードル自身がそれなりに爆発力の部分を遺伝させている様子がうかがえるので、相手の繁殖は一本調子のスプリンター、つまり短距離で逃げてナンボみたいな繁殖との交配が王道。

ダンシングニードルの母ダンシングワンダーや、トレンディスターの母ハンドスターがこのパターンに該当する。

ファインニードル産駒はスピードを強調するほうが王道なので、母方にもサンデーサイレンスがあってクロスの形になるのは歓迎。これにより芝適性が高まる

ちなみにマイルで2勝したクルゼイロドスルは母方にサンデーサイレンスを持たない。その代わりにSadler’s Wellsを内包しており、このあたりがマイルが主戦場になった要因と考えるが、このあたりは今後の分析次第。

一方で地方のダートで勝ち上がっているタイプはMr. Prospectorのクロスを持つ馬が多い。

さらに言えば、単にMr. Prospectorというだけでなく、フォーティナイナーSeeking The Goldといったダート短距離系ミスプロとの配合が吉。今のところ、中央でのダート勝ち上がりはいないが、それは時間の問題でダートでの活躍馬も出てくるとみている。

種牡馬ファインニードルの評価

勝ち上がり率が低いので強めに推せないが、個人的には【スプリンター適性が強く出る】という明確なセールスポイントがある点を評価したい。

なかなか中央ではG1勝ちのチャンスには恵まれないと思われるが、そこを望まないのであれば、コスパの良い種牡馬になる可能性を秘めている。

勝ち上がり率こそ奮わなくても、この時期にOP2勝をあげている良い部分に目を向けるべきだろう。

生産者目線でいえば、とにかくスピードのある繁殖牝馬(可能ならSS内包)と交配する。

もしくは、ダートっぽいミスプロを内包していてちょっと母系にスピードが足りない場合にファインニードルのスピードを補完してバランスを整える配合にする。

このあたりが意識されるようなら、もっと率があがってきて、コスパの良さが評価されていく流れになっていくと予測する。

(文=桜木悟史

コメント

  1. sea-biscuit より:

    考察コラム読みました
    POGでサティンボディスを指名してますがなかなか勝ち上がれません
    陣営はマイル前後の距離を使ってますが、いっそのこと1200mに投入してもいいのでは思ってます

  2. 桜木悟史 より:

    >sea-biscuitさん
    おそらくサティンボディスはテンのスピードが遅いのでマイル前後で使われているような気がします。ただファインニードル自体もテンが遅いスプリンターだったので、一旦位置取りは無視して1200mを使ってみるといいような気がします。

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