このページでは、このサイトの管理人である桜木悟史が一口馬主の出資馬選びに用いている独自の配合論「E配合理論」について説明します。
E配合理論とは、競走馬の一部能力を先鋭化させる配合理論で、特定の方向性において高い能力を発揮できるインブリードを指します。
具体的には、スプリント能力や最後の爆発力といった部分を強調します。
日本の競走馬生産のレベルは日々向上しています。その中で、競走馬が重賞などに出走するトップレベルに加わるたけには、一部分でもいいので、突き抜けた才能・能力があるべきだと筆者は考えています。
インブリードとは近親交配のことであり、サラブレッドの場合は血統表の中にクロス、つまり同じ馬の血の掛け合わせがあればインブリードとなります。優秀な同血統を重ねた分だけ、当該の血が持つ能力や特徴が強く打ち出されます。
その中でも、筆者が注目しているのが、上記の図のような形のクロスです。一般的には3重クロスと呼ばれるものです。
しかし、ただ同じ血が3つあればいいという訳はありません。私が評価するE配合には、いくつか条件・ポイントがあります。
- ①クロスが父系・母系にまたがっている(どちら側が2でも良い)
- ②父・母のうち、2つ側がその特性に沿った戦績の馬か?
まず①についてですが、クロスというのは、基本的に父系と母系にまたがることで増幅します。なのでインブリードの考え方としては①は条件となります。
次に②についてですが、たとえば、母馬のほうにスプリンター血統(スピード要素)がクロスしているとします。その場合、母馬がスプリント路線で結果を出しているはずです。
もし、このケースで母馬が中距離路線で結果を出していたならば、そのクロスは正しく機能していない、もしくは遺伝に問題があるとジャッジします。
正しく機能しないクロスを父系でさらに同じ血を重ねても効力を発揮しない、もしくは効果が限定的となります。
また、ただ血統を字面だけで判断しない点もポイントです。
たとえば、同じMr. Prospector系でもキングマンボは【爆発力】に方向性を持つミスプロ、一方でフォーティナイナーやWoodmanは【スピード】タイプのミスプロです。
Haloでも、サンデーサイレンスは【スピード・瞬発力】タイプ、オーストラリア血統に多くみられるサザンヘイローは【スタミナ】タイプのヘイローです。
3つすべて同じ方向性で揃えなくてはいけないわけではないですが、3つのうち、どちらが多数派であり、その多数派と自分が理想とするキャリアが一致しない場合には良いE配合とはいえず、私の場合はサイトでは取り上げません(評価しない)。
またスプリンターの種牡馬の産駒ながら、たまに【スタミナ】タイプの血がE配合となるケースがあり、こうしたケースはむしろ減点になる場合もあります。
単純に3重クロスがあればいいという訳ではなく、それぞれの血が持っている方向性や特徴を分類した上で、プラスとして評価できる場合にキャロットクラブの募集馬分析記事でE配合として取り上げています。
詳しくは具体的な事例とあわせて理解して頂くのがよいかと思います。毎年9月頃にキャロットクラブの募集馬の事例でE配合を取り上げていますので、ご興味がある方はぜひ記事をお読みください。
(文=桜木悟史)
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