2023年1月下旬にノーザンファーム空港を訪問し、出資している2歳馬2頭の見学を行ないました。
アドマイヤセプターの2021(父エピファネイア)
サンデーレーシングで出資しているアドマイヤセプターの2021は、サンデーでの初出資馬。
初めてのエピファネイア産駒、そしてこういう黒光りするタイプに出資するのが初めてなので「馬体がすごい!」という感想はなく、見た目だけでいえば普通の馬体に映りました。
本馬は昨年の秋口に左前脚を負傷。その傷は今でも残ってました。
その詳細を伺うと「自分の後脚で前脚の腱の部分を蹴ってしまい、外傷を負いました」とのこと。そもそも1歳馬でそういうことは起こるのか?とお聞きすると、かなり珍しいケースの模様。
牧場側でもバンテージを巻くなど怪我防止の措置はとっていたとのことですが、その上からぶつかっても怪我を負ってしまったとのこと。
ポジティブに受け取るなら、それだけ後脚の可動域が広く、パワーも強いと言えます。スタッフさんも「動かすと、すごいんです」と鼻息荒め。
自分も募集時にウォーキング動画の動きに目が止まって無理を承知で突撃した経緯があるので、立ち姿だけではわからない良さを持った馬だと思います。
直近のクラブコメントでは「精神面のコントロールが難しくなってきた」とあったので精神面についても伺うと「そんなことないですよ」との回答。
実際、自分が見学していても気難しさは感じず、むしろ自分のコートの袖をハミハミするほど愛らしい一面も。コースに出すと、シーザリオあたりの血が騒ぐ感じかもしれません。
あとは自分が見学時にチェックする瞳と耳の動きも特に問題なし。カメラを覗き込んだりと、適度に好奇心もあって、これから調教していってピリっとしていくことを考えればちょうどいい塩梅。
あと正面からだとよくわかりますが、目立ったのが耳の大きさ。これは明確にシンボリクリスエスの影響を感じる一面。やはりこういう血統に基づく特徴が垣間見えるとすっきりします。
今後の予定ですが、まずは現在、行なっている周回コースに加えて、坂路調教も開始するとのこと。
怪我による出遅れもあり調教の早いグループにはいませんが、その休ませている間にも「身体が緩まなかった点はよかった」との弁。
左前脚の怪我についてはエコー検査を何度も行なって異常を認めないものの、怪我の程度としてはそれなりに大きなものだったので、定期的に検査を行なって慎重にペースを上げていきたいと話されていました。
デビュー時期については「この後も検査で異常が出なければ、秋競馬を目指したい」とのこと。
飛びが大きく、かつ少し後傾重心気味の馬体バランスを考えれば、秋の東京開催デビューが理想でしょう。とにかくこの後も異常を起こさずに無事に進めてもらえればと思います。
ヒルダの2021(父ミッキーロケット)
キャロットクラブで出資しているヒルダの2021。一次募集で満口にならなかった馬ですが、初対面した瞬間に良い馬だと感じました。
募集当時には、短距離路線で期待したいと書きましたが、思っていたよりもマイラー寄りの体型。少なくともモントライゼよりは長めの距離になると思います。
スタッフさんにも確認したところ、「パワーもあるのでマイルまでは大丈夫だと思いますよ」とのこと。
調教の進み具合としては、まずイヤリングから空港牧場へ移動してきたのが遅めだったこともあり、そこまで早いグループには属していません。
母ヒルダは函館2歳S3着馬で、スタッフの方も母馬やその一族に携わっていたそうですが、母とは違って、この馬自体は成長はそこまで早くないとのこと。
まだまだ移動時期などはまったく決まっていないという前提のもと、「順調にいけば、夏前~夏に本州に移動して、秋の中山開催デビューはあると思います」と話されていました。
前述のマイルもこなせるというコメントを踏まえると、現時点では中山マイルに適性がありそうだと牧場は判断しているようでした。
あとは精神面についてですが、これもなかなかいいものを持っていると感じました。
集中力に欠ける部分は少しありましたが、ダイワメジャーらしいピリっとした一面を感じさせましたし、撮影するカメラや移動する人に対して正しくリアクションできていました。
それでいて、うるさくなることはなかったので、このあたりはキングカメハメハーミッキーロケットの影響だと思います。
これから体型は変わっていくでしょうが、前傾重心なので好スタートが切れるタイプで、それでいて丸みのあるトモでしっかり末脚を使えそうなタイプ。中山マイルはもちろん、東京の1400~1600mで活躍してくれそうな予感です。
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