【キャロットクラブ】シンハリーズの2021馬名変更の経緯[スレイブアイランド事件]

桜木悟史の日記

事態の経緯

2023年2月17日
シンハリーズの21の馬名が【スレイブアイランド(Slave Island 直訳「奴隷島」)】と発表される。

2023年2月18日
キャロットクラブが馬名変更の可能性についてサイトで表明。

募集番号59番シンハリーズの21の決定馬名について、諸事情により、変更を行わせていただくことを検討しております。

Carrot Club公式ページ(会員向けアナウンス)

※なお事件には直接関係ないが、18日のアナウンス同日に本馬の右左両脚の球節の骨折と手術が発表された

2023年2月23日
キャロットクラブが再度申請を行ない、馬名がナインストーンズ(Nine Stones)に決定したと発表。
意味由来:スリランカのお守りナワラトゥナの英語名。母名より連想。

※以後、事態が動いた場合には情報を追加します。

馬名の意味・由来

スレイブアイランド Slave Island

スリランカの都市コロンボの一地域。市の中心フォート地区の南に位置する。スレイブ・アイランドという名前は、ポルトガル、オランダ、ならびにイギリスによる植民地時代に、この地にアフリカから連れてこられた奴隷が収容されていたことに由来する。

wikipedia よりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89

母馬のシンハリーズが、シンハラ人(スリランカの民族)を意味することから、この一族にはスリランカに関係する名前がつけられることが多い。

シンハライト=宝石名「スリランカの石」の意
リラヴァティ=スリランカの女王の名前
ディーパワンサ=スリランカ最古の歴史の記録

こうした背景があり、この一族の命名はスリランカ関連ワードの連想ゲームとなることが多く、今回、スリランカの地名であるスレイブアイランドという名前が応募され、キャロットクラブが採用することとなる。

なぜ問題視されているのか?

今でこそ商業施設などが集まる地域だが、前述の通り、スレイブアイランド地区はセンシティブな歴史を持つ地域である。

なお、この名称に関してスリランカ政府は今後、名称を極力使わない・変更する方針を示しており、国際的に適切な表現でないという風潮になりつつある。

キャロットクラブの選考方法

キャロットクラブでは、毎年12~1月にかけて、当該馬の出資者限定で馬名を応募ができる。

その中から第1~3候補を選んで、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルに申請していると言われています。会員が参加する馬名投票などは行われません。

2月19日時点では「申請中」となっており、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルが正式に受理したかは不明である

今回の問題点

※以下、管理人の私見を含みます

今回、問題となったスレイブアイランドは、英語のスペルを見れば馬名にふさわしくないことは中学生でもわかるでしょう

おそらく今回、この馬名で応募された方は馬名の由来について「スリランカの地域名」とだけ記していたと推測されます(奴隷島という直訳を添えていたら選考を通過するとは考えにくい)。

以上を踏まえると、下記3点が問題点に挙げられます。

①英語力・国際感覚に乏しい担当者がいる
②キャロットクラブはチェック体制を設けていない
③キャロットクラブは馬名の意味を重視していない

②ですが、社内選考において、おそらく社員同士でのダブルチェックが行われていない、もしくは機能していないと言えます。

今回のケースでいえば、仮に英語力に乏しいとしても、インターネットで検索すれば、当該地区の歴史的背景はすぐにわかります(わかった上で馬名申請に回したとすれば、それはそれで問題)。

短期間に90頭以上の馬の馬名選考・申請を行なうとしても、たとえば選考後の第1~3希望の名前95頭分、合計約300頭の馬名について調べるだけなら、1日もあればチェックができるはずであり、キャロットクラブではそうした作業を怠っていると推測されます(要はジャパン・スタッドブック・インターナショナル任せである)。

また今回のケースでは③が浮き彫りになったことも大きいと考えます。

キャロットクラブでは、近年、wikipediaをたどるだけのような連想ゲームだけで馬名が決まることが多く、今回の事件ではその疑いをより一層、強めることとなりました。

クラブがそういう方針であるならば会員はそれに従うしかありませんが、一口馬主という金融商品において、命名権は数少ない「会員が行使できる権利」です

出走するレースや乗せるジョッキーなどに選択権がない中で、命名権は会員にとって重要なものです。

意味や出資馬への願いを含めて馬名を募集しているにもかかわらず、その意味合いを考慮せずに馬名を選考するキャロットクラブならびに内部の社員には反省が求められるべきでしょう。

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