ニューイヤーズデイ プロフィール
ニューイヤーズデイは3戦2勝、2013年BCジュヴェナイルの勝ち馬。種子骨の骨折で引退し、初年度の種付け料は12,500ドルとそこまで期待は高くなかった。
その後、2018年には売却されることとなるが、翌年、産駒のマキシマムセキュリティがフロリダダービーを勝利。のちのサウジカップ1着入線馬である。
これを機に種牡馬としての評価が大きく変化、2019年秋に社台スタリオンステーション(以後、社台SS)に導入されることとなった。
ニューイヤーズデイ産駒の評判は?
ニューイヤーズデイ産駒には関しては良くも悪くもあまり話題になっていない。アメリカ産馬にしては、がっちりとした体型の持ち主という訳ではないので馬体的に強い特徴がない。
社台SS導入後、事務局の三輪圭祐さんと同馬について話す機会があったが、馬体が少し小ぶりであることを話されており、アメリカ産馬といえどもゴリゴリのダート馬ではない。
ただ、キャロットクラブなどの募集馬を見ても、馬体重などが小さいという傾向は見受けられず、平均的な体型・馬体重の仔が多かった。良くも悪くも平均的で安定しているといえる。
血統評論家の望田潤氏は『パーフェクト種牡馬辞典』の中で、今年デビューの新種牡馬の中で期待の1番手としてニューイヤーズデイの名前をあげている。
ニューイヤーズデイ考察
望田氏がニューイヤーズデイを期待の種牡馬としてあげている理由に「サンデーサイレンス系との好相性が見込める」と書いているが、筆者もこの配合は手堅いと考えている。
実際、今年の2歳馬のラインナップを見ても、母父ディープインパクト(10頭)・母父ハーツクライ(6頭)・母父ネオユニヴァース(6頭)というようにサンデー系との配合を期待していることがわかる。
Machiavellian持ちのディープ・ハーツ・ネオユニ産駒から活躍馬が出ており、それを裏返しても成功するだろうという読みだろう。

配合の根拠としては、MachiavellianはHaloを内包するのでSSと組み合わせるとHaloのクロスとなるのでスピードが強調される。
ここでニューイヤーズデイの素晴らしいのは、母方のGeneral JeanneはTrun-to・Royal Chargerを凝縮させた血なのでHaloのクロスの効果を増強させる、疑似的E配合とも言える形になっている点である。
瞬発力の面は未知数であるものの、間違いなく日本の馬場のスピードには適応できるだけの血統背景を持った種牡馬と言えるだろう。
ニューイヤーズデイ産駒の適性は?
サンデーサイレンスを持つ牝馬との組み合わせとなれば、ヘイロー色が強くなるので、日本においては芝向きの馬が多くなるという予測は妥当だろう。
加えて、ニューイヤーズデイ産駒で注目しておきたいのは「繁殖側のノーザンダンサーの血量」だ。まだ仮説段階だが、おそらくこの血量が多くなると芝への適性が強くなる。
この根拠としては、Street Cryを母父に置いたケースだと父方がノーザンダンサーを多く含むとこういうパターンになりやすいためである(なぜかDanzigはダートに振れるが)。
逆にニューイヤーズデイ産駒のダート適性はどうだろうか?
おそらくダート適性もあるだろう、というのが筆者の見解。代表産駒であるマキシマムセキュリティがアメリカのダートで活躍した点を考えればまったくダートがダメということはないだろう。
【注】マルシュロレーヌやパンサラッサの活躍を見ると、アメリカやサウジのダートはむしろ芝向きのほうがいいような気がしなくもないが、そこは一旦保留
もう少し配合的な話をするなら、マキシマムセキュリティの血統表や、ユニコーンS2着のストロングバローズの血統表などを見ると、「Street Cry+A. P. Indy」の組み合わせはダートに振れやすそうな予感がある。
A.P. IndyはPrincequilloを3本固めた血なので、このあたりがヒントになりそう。近い将来、筆者がどや顔で「ニューイヤーズデイ産駒のダート適性は、母方のPrincequilloの本数でわかる」という格言を言い出し始めるかもしれない。このあたりは数年後に検証しよう。
あと配合的には、ニューイヤーズデイは母系にIn Realityを持っているのでこのあたりも留意すべきポイント。
母方にIn Realityを持っている牝馬、たとえばフジキセキやキンシャサノキセキといった産駒の牝馬との交配では、このIn Realityが刺激されるので、馬体の締まりが強くなり、ダート向き・短距離向きという傾向が強くなりそうだ。
まとめると、ニューイヤーズデイ産駒のダート適性を予測するならば、母系にPrincequillo・In Reality・Eight Thirty・War Ralicあたりの血がどれだけ入っているかがポイントと言えそうだ。
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