これまで見学可能ではなかったダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスが見学可能になったということで足を運ばせて頂きました。
ダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックス | 競走馬のふるさと案内所
↑:見学ルール・申込方法はこちらをご確認ください
ちなみにダーレーの見学は同時刻に予約者が集まってのツアースタイルです。担当の方が1頭1頭紹介してくれます。
ダーレーは日本でも種牡馬ビジネスを展開しており、ダーレーが所有する種牡馬はこちらに繋養されています。巨額のトレードで移籍したアドマイヤムーンや、タワーオブロンドンやファインニードルなど記憶に新しい名馬たちがぞろり。
ぜひ彼らの近況をお楽しみください(ちなみに種牡馬を引退しているため写真NGでしたが、モンテロッソも元気にしていましたよ!)。
パイロ
ダーレーの種牡馬といえば、やはりパイロ棒でお馴染み(?) パイロでしょう。
パイロ棒を知らない方もいるでしょうが、ツアーではパイロ棒についての「正しい説明」がありました。自分も正しい用途を知らなかったので勉強になりました。
<パイロ棒メモ>
・パイロが襲ってきた際に腕ではなく棒に噛みつくためのもの(人的ダメージの回避)
・襲ってきた時にボタンを押すと事務所に通報が飛ぶ(笑)
・威嚇には使うが、叩く用ではない(これまでも叩いたことはない)
どんな棒なのか気になる方は下記動画を参考にしてください。
パイロ棒のおかげで(せいで)、パイロ=狂暴のイメージがあるかと思いますが(実際、私も訪問前はそのイメージでした)、スタッフさんに言わせると狂暴な時もあるが、本質的には賢い馬であり、人間が隙を見せた時のイタズラが危ないので、2人がかりで馬を曳いたり、パイロ棒が欠かせないとのこと。
種付けに関しても、自分の仕事だと分かっているようで、ワイルドに仕事をこなしているそうです。
実際、今回、見学をしていても、ニンジンで釣らなくても見学者のほうに顔を向けたり、「こういう絵、欲しいんだろ?」と言わんばかりに干し草を加えたショットを何度も見せてくれたりと、馬房の外から見る限りは、賢い馬であることがよくわかりました。
アドマイヤムーン
ドバイデューティーフリー・宝塚記念・ジャパンカップを制したアドマイヤムーンは今年で20歳になりました。
種牡馬としては、ファインニードル・セイウンコウセイ・ハクサンムーンなどの重賞勝ち馬を輩出。スタッフの方は「特にファインニードルが後継として戻ってくれたのがよかった。血を残せたので、あともうちょっとだけ頑張ってもらえたら」とお話しされていました。
性格については、スタッフさんの言葉ではないですが、“意識高い系”のようです。たとえば、無口を外す時に、耳に当ててしまったスタッフのことを覚えているらしく、そのスタッフには触らせなくするようなところがあるとのこと。
見学の時も、ニンジンがあれば、顔を見せるお仕事をスマートこなします。長生きして欲しいですね。
ファインニードル
アドマイヤムーンの隣の馬房にいるのが息子のファインニードルです。
こちらは、お父さんとは性格はかなり違うらしくフレンドリー。ツアーの時も、率先して馬房から顔を出すなど、見学客のことが気になる様子でした。
タワーオブロンドン
今回、個人的にひさしぶりに会ってみたかったのがタワーオブロンドンでした。
スプリンターズS制覇、朝日杯FS 3着などGIの舞台でも活躍した馬ですが、この見た目もあいまって「ウシくん」の愛称でも呼ばれていました(この愛称についてはスタッフさんも把握されていました)。
覚えている方もいるかと思いますが、どんな大きな舞台でもマイペースでパドックを歩くその精神力は引退後も変わらないようで、女性スタッフでも扱えるほど穏やかだそうです。
私たちが見学している間も、窓枠をかじったりとマイペース。もしかしたら、そういう性格を買われてパイロ様の対面に配置されているのかもしれません(笑)。
フリオーソ
地方の星・フリオーソも元気そうにしていました。
今でも熱烈なファンがいるらしく、フリオーソ宛にお守りなどのプレゼントが届くこともあるとのこと。
産駒は勝ち上がり率が優秀で、馬券的に穴をあけることも多いので「もっと注目されて欲しい」とのことでした。
サンダースノー
ここからは海外から導入された種牡馬たちも紹介していきましょう。
ドバイワールドカップを二度も制した世界的名馬サンダースノーには面白いクセがあります。
それは「舌を口にしまわない」というクセ。わざとやっているのかはわからないそうですが、見ている間もほとんど舌を出しっぱなしでした。かわいい。
本記事執筆時点でまだJRAでも産駒勝利はありませんが、サンダースノー産駒は全体的に乗り味がよいらしく「芝向きかもしれませんね」とのこと。産駒の活躍を楽しみにしたいと思います。
タリスマニック
その独特な風貌で、いまだに海外の根強いファンがいるというタリスマニック。
とにかく顔面の白い面積が広い。何枚か写真が白飛びしてました(笑)。
性格はのんびり屋。 前述のタワーオブロンドンが穏やかなタイプだとすれば、こちらは“ぼぉーっとしているタイプ”とのこと。
穏やかな瞳をしてますが、正面から見ると受ける印象は違いますね。
ウィルテイクチャージ
最後にご紹介するのが、今年導入されたウィルテイクチャージ。
スタッフさんいわく、南関東クラシック路線が整備されるということでダートで期待できる種牡馬を来日させたとのこと。今年は170頭ほど種付けをしたそうです。
個人的には、有望な種牡馬だとみています。
血統的には、社台スタリオンステーション繋養のシスキンと同じアンブライドルズソング系で、コントレイルやスワーヴリチャードの評判を考えれば、父系としてはもちろん、母系に入ってもよさそう。ダーレーさんはダートで期待しているようですが、芝馬も出てきそう。
加えてデピュティミニスターも持っていますから狙い通りにダート馬もつくれそうですし、今後、存在感が増していきそうです。
絶対やらないでしょうけど、ダーレーの一口馬主クラブを始めて欲しいぐらいです(笑)。
ちなみに性格については、スタッフさんいわく「猫っぽい」とのこと。
写真を見ると、犬っぽい気もしますが(笑)、カタログを見て説明中のスタッフさんにニンジンをねだるなど愛嬌たっぷり。
ぜひ今後見学に行かれる際にはウィルテイクチャージにも注目してみてください。
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以上が、ダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスの見学の様子でした。
ここは正直オススメです。通常のスタリオンであれば、会いに行っても、顔を出してくれないなんてことはザラにありますが、ここではスタッフさんがニンジンを使って、名馬たちの顔を出してくれます。
個人としても、次回、北海道に行く際にもまた寄ってみたいと思いました。
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