奥村武厩舎が見せた「厩舎力」
出資馬のサーマルウインドが先週末に新潟競馬で行なわれた信越S(L)を勝利しました。
馬の適性としては、3勝をあげている得意舞台・中山マイルで行なわれるターコイズS出走に向けて賞金を積みたかったところで、しっかり結果を出したことが一番だと思います。
奥村武調教師は、前走を振り返って、先頭に立ってソラを使ってしまったことを課題と捉え、信越Sの1週前追い切りでは北村宏司騎手を乗せて、前に馬を置く形で調教を消化。
このようにしっかりレースにおけるテーマを持って、それに合わせた定石の調教を選択できるのは出資者としては安心できます。
「レースでは我慢させたい」と話しているのに、単走・坂路調教しかやらないような厩舎もあります。しかし調教でやっていないことを急にレースでやれといっても馬は理解できませんし、対応できません。
競走馬の性質をちゃんと理解して、ジョッキーとコミュニケーションをとって実行する。ここに奥村武厩舎の厩舎力の高さを感じます。
話が少し脱線しましたが、そんな奥村武調教師はサーマルウインドについて、もっと上のところを見ていると思いますし、そこに至るまでの過程をすでに描いているように思います。
サーマルウインド 今後の路線は?
ここからは奥村武調教師の頭の中にあるプランについて妄想します。
まず当面の目標は来春のヴィクトリアマイルでしょう。東京マイルで勝利したことはないですが、展開次第ではチャンスがある舞台設定。
このプランを検討した時、「結構、チャンスがあるのでは?」というのが私の見解。
上記の画像は3歳以上の賞金上位の馬です。
この中でマイル路線でめちゃくちゃ強い馬がいるかというと、そうではありません(ソングラインは来春引退予定)。
さすがにリバティアイランドが出てきたらお手上げですが、スターズンオンアースと勝負できるところまでいけば、一発の可能性は十分にあるはずです。
今回の信越Sの勝利で賞金面でも不安がなくなりつつあるので、ターコイズSで連対して賞金を積めれば覚悟を決めてこのプランに向かっていくことでしょう。
気になるのはその後です。以前のキャロットクラブのパーティーで最後の奥の手でスプリント路線の可能性についても言及していたので、スプリント路線への転戦もありえそうです。ただし「一度スプリントを使ったら元に戻せないと思う」とも話されていたのでスプリンターズSを視野に入れているかはわかりません。
なので、自分の中では来春のヴィクトリアマイル以降のローテはこんな感じで想定しています。
ローテ①:マイルからスプリント
ヴィクトリアマイル→マイルCS→高松宮記念
ローテ②:スプリント転向
ヴィクトリアマイル→スプリンターズS→高松宮記念
ローテ③:てんこ盛りローテ
ヴィクトリアマイル→マイルCS→フェブラリーS(→高松宮記念)
3つ目は現実味はないですが、奥村武調教師は勝負師の側面もあるので、それまでにG1タイトルに届いていなければ引退直前のフェブラリーSを試す可能性は0ではないでしょう。
仮にダートを試すにしても、芝スタートの優位性は活かしたいところですから、6歳の引退直前のフェブラリーS挑戦はありだと思います(裏を返すと、これだけ芝で結果を出している馬ですから慌ててダートに転向させる意味・メリットは感じません)。
いずれにしても、適性的にはベストではないものの来春のヴィクトリアマイルは相手関係的にもチャンスが大きそうですし、そこに全力を注いでいくことが肝要でしょう。
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