10月31日にノーザンファーム空港にて、ティンバレスの22(父オルフェーヴル)・フェルミオンの22(父スワーヴリチャード)・トナフトゥの22(父カラヴァッジオ)の3頭を見学してきました。最新の近況や牧場スタッフのコメントなどを紹介します。
ティンバレスの22(父オルフェーヴル)
まずはキャロットで最優先を使って申し込んだティンバレスの22。
初めて対面した印象は「迫力すげぇ…」の一言。
自分がこれまで見てきた1歳では最も大きさを感じる1頭で、正直1歳とは思えませんでした。
1歳だと、四肢や腰のどこかに物足りない部分を感じるものですが、この馬に関してはすでに身体ができあがっていて、むしろ「ここから馬体を絞っていかないといけないのでは?」と感じるぐらい。
馬体重についてお聞きすると「まだ1歳ですからねぇ。まだ大きくなると思います」とのこと。
当たり前なんでしょうが、「…ここからもっとデカくなるの?」と思ってしまうのが正直なところ。
ただ歩かせた時は、そこまで重さを感じさせない(軽さもないですが)ですし、四肢のバランスは良く映りました。この時期にバランスいいのが、はたして本当に良いことなのかは微妙なところではありますが、このフォルムのまま成長することを願います。
適性についてもお聞きしましたが、「パワーはあるので、ダートは走れると思います」とのこと。
ちょうどスタッフのおひとりがマルシュロレーヌのキャップを被っていたこともあり、「またアメリカに行けたら…」というリップサービスも。それは冗談としても、牧場的にはクラシック路線を、みたいな狙いは薄そうでした。
調教は17-17ペース。クラブコメントでは「頑固」というワードが出ていましたが、現場レベルでは問題にならないぐらいの認識で、人が跨っても問題ない様子。
ツアーやクラブコメントでは「賢い(ずる賢い)」みたいなワードがよく聞かれた本馬ですが、空港スタッフの方にその話を振ると「??」みたいなリアクションでした。
自分が見た限りだと、性格は問題ないと思います。見学者である自分に対して適度に警戒心を持っていましたし、カメラを向けた時のリアクションも上々。
この仔に関してはこれまでに見てきた1歳と違い過ぎて、適性も含めて予測がつかないのですが、個人的には2000m前後で期待したい感じです。その場合、芝のほうがレースが充実しているのでまずは芝でのデビューを期待します。
フェルミオンの22(父シュヴァルグラン)
キャロットのもう1頭はフェルミオンの22。
個人的な事情(?)があって、急遽申込むことになった馬ですが、この馬は正直、書けることが少ないです。。。
身体も精神も幼過ぎて、同行していた事務所スタッフの方も見学後に「あの状態で見学しても、わからないですよね…」とフォローするぐらい、特徴がない…。
いつもなら、馬を見ていると質問を浮かぶつくんですが、あまり質問が思いつかず、スタッフさんに「この馬の一番の長所は?」とお聞きすると、しばらく悩んで「オンオフがはっきりしているところですかね…」との回答。困ってました…。
性格は穏やかで、見学の時も近くでそれなりの騒音があった中で暴れるような素振りはなし。一方で調教で人が跨ると、かなり気が入るとのこと。なので、現状では距離適性については、そうした精神的な要素を加味して「マイルぐらい」との回答。
性格は前述の通り、幼い感じで、カメラを向けても理解できてないですし、牧場見学で初めて軽く噛まれました。そういう面が勝ち気の強さにつながってくれればいいですが、まだ人間との関係性もちゃんと築けていない感じで、もう少し時間が経たないと何とも言えないですね。
調教は18-18ペース。肉体的にはもちろん、精神的な成長も必要でしょうし、デビューは遅くなるのではないでしょうか。
トナフトゥの22(父カラヴァッジオ)
こちらは見学2回目となるサンデーのトナフトゥの22。
前回の見学時に気になった馬体の薄さも改善されつつあり、馬体重も435kgと増量。
ここはスタッフさんがリップサービスするタイプだったので鵜呑みにするのはよくないですが、「(空港に)入厩したのは遅かったのに、なぜか調教の一番早い組にいます(笑)」という順風満帆の状況。
しかも、調教の進みが早いだけでなく、騎乗者からは「良い馬」とコメントが出ているとか。最初に坂路に入れた際も、普通は物見をする馬が多い中でしっかり走るので、引っ張り続けた騎乗者は「きつかった」とのこと。
その後の調教でも先頭で集団を引っ張っているそうで、年内には15-15ペースに移行させたいとのこと。このまま順調にいけば早期デビューを目指せそうとのことで、世代の一番星を狙うスピードスターに育ってほしいですね。
ただまったく課題がない訳ではなく、今回の見学では敏感な一面を見せました。見学中、馬の近くで牧場猫が寝転んだところ、それにビックリして暴れるシーンも。
前回の見学ではそういう面は見せなかったので、まだ新しい環境に慣れきっていないこともあるかもしれません。
ただ短距離路線でいくなら、鈍感よりは敏感なほうがベターなので、現時点で深刻に捉えなくていいでしょう。
個人的に、ここ近年は素質あるスプリンターを選べていることもあり、この馬への期待が改めて高くなりました。
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