【有馬記念 2023】渾身の一点勝負

桜木悟史の日記

今年の有馬記念は、枠順抽選会からだいぶ難しくなってしまった。

先週の調教などをみているとスルーセブンシーズが状態の良さを感じさせた。血統的にもステイゴールド系で、グランプリに強い鞍上。重めの印を打つ予定だった。

しかし痛恨の8枠15番。いろいろシミュレートしてみたが、この並びで上位争いをするには思い切ったことをするか、運に恵まれないと厳しい。軸にするほどの信頼感はなくなった。それこそ10倍前後の6番人気ぐらいならまだ買えるがリターンという点でも微妙だろう(執筆時点で4.9倍の2番人気)。

展開予想

抽選会後、いろいろ展開シミュレートをしたが、先行争いは④タイトルホルダー・⑥ディープボンド・⑦アイアンバローズ。おそらくタイトルホルダーがハナだろう。

ただタイトルホルダーはハイペースを刻んで後ろを封じるという戦略はとらないだろう。本来はそういう競馬をすれば勝利に近づくが、春天の競走中止のことがあるので無理はしづらい。なんならアイアンバローズの番手でもいいと思っているはずだ。横山和生の性格とここまでの経緯を考えれば、ここで後続を離しての大逃げは考えにくい。

アイアンバローズも同様。ここでビートブラックのような逃げを打てば面白いが、それをやらないのが石橋脩である。

ディープボンドは一昨年の2着馬。しかも昨年とは異なり、一昨年と同じ内枠。この舞台も合うし、腕っぷしのいいマーカンドも合う。2週目の向こう正面で先頭を奪い、鞍上の腕がもぎれるぐらいに追い通せば面白いが、マーカンドも先週の朝日杯FSのことが脳裏によぎって暴走はしづらいはず。あっと驚かせる作戦は打ってこない。

ハナはタイトルホルダーか、アイアンバローズ。大逃げは打たないにしても、スロー落とすと自分たちの馬の持ち味が出ないこともわかっているのでペースは標準ぐらいだろう。隊列は縦長になる。これが自分の読み。

アイアンバローズは実力的に怪しい部分があるが、少なくともタイトルホルダー・ディープボンドが直線を迎える前に揃って後退する事態は考えにくく、ここで面白くなるのが【この3頭の後ろに発生する4~6番手の空白地帯】である。

直線の攻防

内ラチ沿いで上記の3頭が粘る状況で、そのすぐ脇を通れそうなのが4~6番手に構えている馬たちだろう。インポケで体力を温存できている馬が有利になるのは目に見えている。

そうすると、それらの馬が抜け出そうとすると内から3~5頭目あたりのコースを独占することとなる。中団以降の馬たちはさらに外を回さざるを得ない。ペースが普通に流れているなら、そんなに外を通ってしまっては厳しいはず。なので、今回は中団以降に構えそうな馬はすべて評価を下げた。

▽中団以降に構える馬(予想)
①ソールオリエンス・③ホウオウエミーズ・⑩ジャスティンパレス・⑮スルーセブンシーズ・⑯スターズオンアース

上記以外にも能力的に中団以降になる馬はいるだろう。人気馬も含まれるが、これらの馬たちは展開的に厳しさのほうが目立つ。

話を戻そう。勝負に行くなら、前述の4~6番手をとることが勝利への近道だろう。有馬記念の上位を狙う王道ではあるが。

今年は先行策の3頭が④⑥⑦に入り、①③が後方に下げるはず。これを考えると、5枠ぐらいまでの馬は労せずして内に寄せることができる。⑤ドウデュース・⑨ヒートオンビート・⑪ハーパーあたりはインポケに収まる大候補。ずばり狙うならこの3頭

結論

その3頭の中で最終的に狙うのは

◎⑨ヒートオンビート

ハーパーはここ2戦は先行できているが、2番枠・3番枠からの先行策で、今回は11番枠。相手も強力になった中で同じ競馬ができるかというと疑問。上記3頭の中では評価は下げざるを得ない。

ドウデュースは1点に絞らないなら○▲相当の評価。ここ2戦はある程度、中団につけての競馬。ただ武豊騎乗時はそういう乗り方は少ない。ドウデュースという馬は京都記念の競馬を見ても外をのびのび走らせるほうがいい馬で、先手が取れたとしても内ラチ沿いをきっちり走らせる競馬がベストとは限らない。豊さん的には5番手の外が理想。自分の狙いとは少しズレるので◎にはしない。

そこで最終的に本命となったのが⑨ヒートオンビートである。

消去法のような選び方になっているようにも見えるかもしれないが、狙う根拠はいろいろある。

まずこの馬は2500m戦[1-1-3-1]が得意ということ。POGの時から指名していたが、とにかくズブくて、2000mで持ち味を出し切れないタイプ。一方でキングカメハメハ産駒なので3000m以上になると血統的に合わない。つまり2500m前後がベストな馬。

しかも、この馬はここ最近の敗因が明確。とにかく湿った馬場はマイナスで、日経賞(不良)・京都大賞典(重)は度外視。そして今週の関東地方は晴天続き。

このタイミングで狙わなくて、いつ狙うのか?今でしょ。

しかも枠順に目を向けると、昨年のアルゼンチン共和国杯以降、1回も1桁馬番がない。ヒートオンビートが先行できるイメージが湧かない人も多いと思うが、そこには枠の巡りという理由が存在する。近走のレース映像を見てもらえればわかるが、内に入れるチャンスがなかったことはわかって頂けるだろう。

そこにきて、前述の通り、今年の有馬記念は内の馬が先行することが確定、9番枠からでもすんなりロスの少ないコースに誘導できる。

そして鞍上はレモンポップを1800m戦で逃げ切りさせた坂井瑠星。コースロスの概念を重要視している次世代のエース。きっと期待を裏切らないはずだ。前を捉えられるかは馬の実力次第。馬の実力を過信せず、内でしっかり脚を溜めてほしい。

7枠14番 ヒートオンビート(3着同着)

前走はトップハンデの59kgを背負って、直線はどこにも進路なし。勝ち馬のゼッフィーロがモレイラマジックで内からスルスル抜けてきたのに対して、大外に出して0.2差の3着。

どの馬にもチャンスがありそうな有馬記念だけに、展開とポジショニングに恵まれる可能性が高いヒートオンビートの複勝を握りしめて、今年の馬券を鮮やかに締めたい。

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