2024年度のサンデーサラブレッドクラブの募集馬リスト・東西振り分けが発表されました。
その中から血統や配合的に面白そうな馬をピックアップします。
※カタログ公開前時点の評価となります
※出資判断はご自身でご判断ください。責任は負いかねます
ジューヌエコールの23(父アドマイヤマーズ)
父:アドマイヤマーズ
母:ジューヌエコール (9歳)
母父:クロフネ
牝馬
サンデーレーシング(関東)
募集金額 4,000万円(一口100万円)
アドマイヤマーズという種牡馬はHaloのE配合を持った種牡馬であり、それを母系で呼応させるのが配合のセオリー。その点においてヘイロー色が強いソニンク牝系は長所を伸ばす格好のボトムライン。
血統表の中にHaloが5本も入っている超スピード特化型の配合。芝向きで、最後の切れ味も期待できます。かなり薄目ではありますが、Sadler’s Wells・Nureyevが入っていることも加点評価。小回りにも対応できそうです。
あえて減点材料をあげるなら、ノーザンテースト≒Deputy Ministerがあるので、このあたりは大箱向きなエッセンスなので、上記に挙げた小回りが得意そうな方向性のちぐはぐ感はあります。
母はスプリンターでしたが、アドマイヤマーズには持久力因子もあるので、マイルでもやれそうな予感。配合は全然異なりますが、近親のソングラインに近い適性になりそうです。
チェッキーノの23(父エピファネイア)
父:エピファネイア
母:チェッキーノ (10歳)
母父:キングカメハメハ
牡馬
サンデーレーシング(関西)
募集総額 1億2000万円(一口300万円)
今年の馬代値上がりを象徴する1頭(サンデーで3番目の高さ)で、配合的にはエピカメサンデーの綺麗な形。ただしエピカメサンデーは牝馬優勢なので、その点は要注意。
同じサンデーだと、リベイラパレスが同じ配合で鈍足タイプ。エピファネイアもキングカメハメハも、筋骨隆々な体型を遺伝しがちで、そこが重なると重苦しさが出やすい。その点、牝馬に出るとそこが軽減されるので牝馬のほうがベター。
そういう意味で募集時に発表される馬体重が大きなキーポイントになりそう。募集時点で450kgを超えているような場合はその雄大な馬体がかえって仇になるかもしれないので注意が必要です。
同じくエピカメサンデーの牡馬・ボージェストの23についても同様のことが言えるかと思います。
シンプリーラヴィシングの23(父キズナ)
父:キズナ
母:シンプリーラヴィシング (5歳)
母父:Laoban
牝馬
サンデーレーシング(関西)
募集総額 5,000万円(一口125万円)
「キズナにはHalo持ち牝馬」というセオリーがある以上、本馬には触れておくべきでしょう。
ただサザンヘイローという血はスタミナ因子を強めに遺伝させるのでヘイローのスピードを補完させたいキズナにとっては微妙なヘイローの血。
配合としては、スタミナ系ヘイロー持ちのOrpenを母父に持つボルザコフスキーと似ているイメージ。馬場が渋ったり、冬場のパワーを必要とする馬場が向くタイプ。条件があえば、大駆けのある感じです。
血統表全体を見渡すとノーザンダンサーの血が薄め。こういうキズナ産駒はダートに振れることがあるので、そのあたりも検討材料のひとつになりそうです。
ミスティックジャーニーの23(父キズナ)
父:キズナ
母:ミスティックジャーニー (8歳)
母父:Needs Further
牝馬
サンデーレーシング(関西)
募集総額 5,000万円(一口125万円)
1つ前のシンプリーラヴィシングの23の解説の比較になりますが、ノーザンダンサーの血量が多いので、こちらのほうが日本の芝への適性は高め。
加えて、キズナと相性がいいSpecial持ち(Fairy King)なのでここも加点評価。「キズナ+Fairy King」には7,000万円以上稼いだエグレムニや、今年の浦和桜花賞を制したプリンセスアリーがいます。
母系にヘイローはないものの、Haloと二アリーなSir Ivorや、相性がよいBlushing Groomを持っているあたり、スピード因子がしっかりしているので 前向きに検討したい1頭です。
シユーマの23(父コントレイル)
父:コントレイル
母:シユーマ (15歳)
母父:Medicean
牡馬
サンデーレーシング(関東)
募集総額 8,000万円(一口200万円)
シユーマを取り上げるのは2年連続です。昨年とりあげた半姉クライスレリアーナは安田記念当日の牝馬限定マイルでデビュー予定。セレクトセールへのお披露目を兼ねて、予想よりも早く仕上げられてしまった感はありますが、半姉が勝てばこの馬も人気もあがるでしょう。そうなったら低実績の自分には縁がなくなりそうです。
それはさておき、やはりシユーマという牝馬はMachiavellian持ちですからヘイローを刺激してやりたいわけです。そういう意味でサンデー感の強いコントレイルという種牡馬のカップリングは間違いなくうまくいきそう。
Haloだけでなく、スピード系ミスプロをクロスさせたりとスピードを強調しているので芝でのトップスピードは期待できそうです。
一方で、配合としてはかなりスピードに偏らせているので底力があるのかは疑問。スタミナ因子は足りてないので距離はマイルがベスト。2000mだと長い印象です。
クラシックは期待しづらい点は、もしかすると一部の方には減点材料となるかもしれません。
8,000万円という値付けなら、マイル路線でも許容できる気はしますが、マイル路線は牝馬が強かったりするので、近い世代にマイルの強い馬がいたりすると獲得賞金の面で苦労する可能性も。
エイプリルミストの23(父サートゥルナーリア)
父:サートゥルナーリア
母:エイプリルミスト (9歳)
母父:ディープインパクト
牡馬
サンデーレーシング(関西)
募集総額 5,000万円(一口125万円)
今年のラインナップを見ていると価格的に人気が集まりそうなのがサートゥルナーリア。シーザリオ牝系の種牡馬としては3頭目になります。
そしてシーザリオ牝系種牡馬の産駒は性別の偏りが出やすい。ここはひとつのポイントかなと思います。
エピファネイアは牝馬から、リオンディーズは牡馬から上級クラスで活躍する馬が出やすく、このサートゥルナーリアもどちらかが優位になるのではと見ています。
そして現時点で筆者はサートゥルナーリアは【牡馬優位】ではないか予測しています。
これは専門家の見解に委ねますが、エピファネイア産駒は筋肉量が多い馬が多く、それが牡馬だと鈍重に出やすいことが要因として挙げられるのかもしれません。
これはあくまでも馬体写真などをみていない仮説段階の見解で、もしサートゥルナーリア産駒に筋肉モリモリな馬が多いようなら、エピファネイア同様に【牝馬優勢】となる可能性もあります。このあたりはカタログチェック時に持ち合わせておきたい視点です。
そういう観点で、一旦、サートゥルナーリア産駒の牡馬で当たりをつけたのが本馬。半姉アクアヴァーナル(現1勝)でシーザリオ牝系種牡馬との結果を出している点と、半姉よりも配合は強化されている点を評価します。
母エイプリルミスト・半姉アクアヴァーナルは中距離以上になると先行できるタイプで、少しスピードが足りていません。そこをミスプロのクロスで補完する形になっており、ボトムラインの重厚さが相殺されます。スピードとパワーのバランスが良さそうな1頭です。
スペルオンミーの23(父シスキン)
父:シスキン
母:スペルオンミー (12歳)
母父:ダイワメジャー
牝馬
サンデーレーシング(関西)
募集総額 2,400万円(一口60万円)
いまをときめくアンブライドルズソング持ちのシスキン。頭数は多くありませんが、この世代までは青田買いしてもいい気がします。
本馬の配合でポイントになるのは、シスキンがダイワメジャーと相性のよい血を多く持っているという点。LyphardやSir Ivorなどは相性が良く、母系のスピードを素直に引き出してくれそうです。
Buckpasserクロスもあるので小回りなどの競馬も合いそうながら、大箱向きな血もあるので、マイルまでの距離ならどんな舞台でも対応できるオールラウンダー(芝ダート適性は現時点で不明)。
基本的にはスピード因子を集めた配合なので、とにかく前にいって先行力で勝負するタイプになるでしょうが、これが一口60万なら人気を集めるではないでしょうか?
ミスエーニョの23(父リアルスティール)
父:リアルスティール
母:ミスエーニョ (16歳)
母父:Pulpit
牡馬
サンデーレーシング(関東)
募集金額 6,000万円(一口150万円)
POGでもたびたび話題にあがるミスエーニョですが、その話題性とは裏腹に突き抜けされていない印象。今シーズン、ようやく半姉ミアネーロがフラワーCを勝利しました。
ノーザンファームはいろいろサンデー系やキンカメ系を試してきて、まだ正解は見えていないように感じますが、その中でリアルスティールとの配合は面白そうです。
本馬の配合は、リアルスティールの代表産駒・フォーエバーヤングと共通項が多く、リアルスティール産駒全体の配合で見ても、日本国内の血が入るような繁殖よりは、輸入牝馬のようなアウトサイダーな血が多い繁殖との交配のほうがうまくいっています。
本馬に関してはStorm Catのクロスなどクロス多めの配合ですが、近親のミエスペランサ(父リアルスティール)が2戦2勝(24年5月時点)。この牝系とリアルスティールの相性はよさそうです。
未知数な部分があるとすれば、本馬が10番仔にして始めての牡馬に出た点。牝馬ばかりに実績が偏っている牝系だけに、牡馬が出た点がどうなるでしょうか?
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