【社台サラブレッドクラブ2024】配合注目馬ピックアップ

競馬コラム

2024年度の社台サラブレッドクラブの募集馬リスト・東西振り分けが発表されました。

その中から血統や配合的に面白そうな馬をピックアップします。

※カタログ公開前時点の評価となります
※出資判断はご自身でご判断ください。責任は負いかねます

クイーンズリングの23(父ロードカナロア)

クイーンズリングの2023

父:ロードカナロア
母:クイーンズリング (11歳)
母父:マンハッタンカフェ

牡馬

社台レースホース(関西)
募集総額 7,000万円(一口175万円)

5代目までのクロス:Northern Dancer 5×5

全兄はすみれS勝ちのシャザーン。シャザーンはセントライト記念後に休養にはいっており、復帰した際にどういうパフォーマンスを見せるかは気になりますが、そのあたりをイメージした際に7,000万円という募集価格をどう判断するか?

「ロードカナロア+母父マンハッタンカフェ」メイショウゲンセンレイハリアなど重賞・OP勝ちを輩出。母父マンハッタンカフェはミスプロ持ちの種牡馬と相性がよいので、このあたりは意識的にウォッチするようにしています。

上記の組み合わせは今のところ、牝馬のほうがパフォーマンスがよいので、本馬が牝馬だったら前向きに検討していたと思います。そこを差し引いても11歳時の出産という脂が乗っている時期の仔ですから、大きな上振れがあっても不思議ではありません。

プールヴィルの23(父キズナ)

プールヴィルの2023

父:キズナ
母:プールヴィル (7歳)
母父:Le Havre

牡馬

社台レースホース(関西)
募集総額 6,000万円(一口150万円)

5代目までのクロス:Northern Dancer 5×5

キズナにヘイロー的なスピードを足す配合は確度が高い配合で、Le HavreはRahyの系統ですからそのイメージにマッチするBMSです。

叔父にデイリー杯2歳S勝ちのスーパーホープ(父キズナ)がいますが、10-12月に2勝をあげている、速い上がりを使えない典型的なキズナ牡馬。ここにLe Havreのスピードが加わるのですから、これはうまくいくでしょうという配合。

初仔ということで申し込むには度胸が求められますが、大きな遺伝的なミスがない限りプールヴィルは良い繁殖となっていくのではないでしょうか? 数年後に繁殖として脂がのった時に重賞級が出てきそうな予感です。

スピニングメモリーズの23(父キズナ)

スピニングメモリーズの2023

父:キズナ
母:スピニングメモリーズ (8歳)
母父:Arcano

牝馬

社台レースホース(関西)
募集総額 4,000万円(一口100万円)

5代目までのクロス:Danzig 5×4, Northern Dancer 5×5

母方にDanzigを持つキズナ産駒はジャスティンミラノを筆頭に活躍馬が増えています。

その中で母方にDanzigクロスを持つタイプはシックスペンス[スプリングS]やボルザコフスキーなどマイラーな馬が多め。ボルザコフスキーあたりは、Danzigっぽいマッチョなボディが特徴で、見た目からしてマイルが限界だろうなというのが伝わってきます。

なので、本馬についても馬体のシルエットはそのイメージに合致しているかチェックしたほうがいいでしょう。牝馬なのでマイラーだとしても問題ありません。

上記の観点から配合的には面白そうな1頭。少し気になるのはDanzig持ちのキズナ産駒の活躍は牡馬が多く、牝馬に出た場合はパフォーマンスが劣ります。このあたりの性差をどう捉えるか次第でしょう。

ブルーミングアレーの23(父コントレイル)

ブルーミングアレーの2023

父:コントレイル
母:ブルーミングアレー (16歳)
母父:シンボリクリスエス

牡馬

社台レースホース(関西)
募集総額 8,000万円(一口200万円)

5代目までのクロス:Hail to Reason 5×5, Lyphard 5×5

血統表としては、トーセンラーにシンボリクリスエスの強度Unbridled’s Songのスピードを足しているのですから、字面だけでいえばゾクゾクする配合だと言えます。

京都の平坦でキレキレだったトーセンラーに、東京・阪神のような坂のあるコースでも対応できる強さが加わるイメージといえば感覚的に伝わるでしょうか。

適性は芝のマイルから2400mぐらいの王道、配合に関してはケチをつけるところはありません。

その一方で最大の懸念はブルーミングアレーの繁殖能力が落ちてきているのでは?という疑惑。

9歳時に出産した半姉ランブリングアレー以降、1頭も産駒が勝ち上がっていません。本馬が16歳時に生まれたことを考えると、繁殖としてのピークは過ぎている感があります。

これが億超えだったら見送り即決でしょうが、8,000万という悩ましい値付け。コントレイル産駒を狙っている方であれば、そこには目を瞑っていってしまうかもしれません。

マルセリーナの23(父サートゥルナーリア)

マルセリーナの2023

父:サートゥルナーリア
母:マルセリーナ (15歳)
母父:ディープインパクト

牡馬

社台レースホース(関西)
募集総額 6,000万円(一口150万円)

5代目までのクロス:サンデーサイレンス 4×3, ラストタイクーン 5×4, Habitat 5×5

マルセリーナは血統的にいえば、トライマイベストを持っていることがポイントで、キンカメ系とは相性がよく、トライマイベストのクロス、つまりBest in Showがクロスすることで爆発力が期待できます。

父キングカメハメハの半兄ヒートオンビートが5勝、父ロードカナロアの半兄シュタールヴィントが3勝とその相性の良さが結果につながっています。そういう意味でキンカメ系で期待のサートゥルナーリアを迎えたことは理に適っています。

距離適性的にはロードカナロア系統で共通するシュタールヴィントに近く、芝1800-2000mに適性がありそうです。

サンデーサイレンスのクロスが入ることでトップスピードもありそうですし、ほぼほぼ穴がないタイプに映ります。しいていえば、厳しいハイペースになった時の持久力という面に不安がありそうですが、ミドルペースのレースであれば能力を出せるでしょう。

カルマートの23(父オルフェーヴル)

カルマートの2023

父:オルフェーヴル
母:カルマート (15歳)
母父:シンボリクリスエス

牝馬

社台レースホース(関東)
募集総額 2,800万円(一口70万円)

5代目までのクロス:サンデーサイレンス3×4, ノーザンテースト5×4×5, Hail to Reason 5×5

全姉リトミカンテは3勝をあげて7,202万円を獲得。そこからゴールドシップを迎えた半姉も1勝。ステイゴールド系種牡馬と一定の結果を出しています。

リトミカンテがデビュー時に436kgと小柄だったので、本馬はフィジカルがそれ以上ならお買い得になる可能性はあり。馬体重には注目です。

「オルフェーヴル+母父シンボリクリスエス」オーソリティソーヴァリアント2頭の重賞ウイナーを輩出。ただしOPを勝利3頭はすべて牡馬。本馬は牝馬なのでOP勝ちまで期待するのは荷が重いかもしれません。

栗毛で顔に大きな白い流星があって、もろにノーザンテーストの特長が出ています。持久力の因子が多め。

そのワンペースな部分をサンデーサイレンスのクロスで軽減させており、その効果もあってか全姉は速い上がりを使えていました。このあたりは馬体重が重すぎると、もっと持久力寄りになる可能性があるので、馬体重がありすぎても…と悩ましい部分になりそうです。

母15歳という点は通常は割引材料ですが、本馬は4番仔。ここでいきなり大物が出てくるとは考えにくいですが、母年齢で人気を下げるなら第2候補などで候補にいれてくる人が多いかもしれません。

カトマンブルーの23(父ゴールドシップ)

カトマンブルーの2023

父:ゴールドシップ
母:カトマンブルー (15歳)
母父:Bluegrass Cat

牝馬

社台レースホース(関西)
募集総額 1,800万円(一口45万円)

5代目までのクロス:Halo 4×4

「ゴールドシップ+Devil’s Bag」の組み合わせは、ユーバーレーベン[オークス]やウインピクシスなど実績がある組み合わせ。父のスタミナ因子を刺激せずに、短距離向きなHaloを足せるという意味で相性が良いのだと思います。

本馬の血統表を見た時に「ゴールドシップとStorm Catは相性がいいのか?」という疑問がありましたが、調べてみると思いのほか相性は悪くありません。JRA所属馬だと2勝以上あげている馬が多数います。

本馬の配合は4勝をあげ重賞にも出走したヴェローチェオロと共通項が多く見込みあり。

配合としてもゴールドシップのワンペースになりがちな部分を呼応させないことによって、スピードや瞬発力が顕現しやすくなっているあたりが好印象です。

2勝をあげれば回収率100%は簡単に目指せそうですし、これは人気になっても不思議ではありません。

イリュミナンスの23(父ルヴァンスレーヴ)

イリュミナンスの2023

父:ルヴァンスレーヴ
母:イリュミナンス (13歳)
母父:マンハッタンカフェ

牡馬

社台レースホース(関東)
募集総額 3,000万円(一口75万円)

5代目までのクロス:サンデーサイレンス 4×3, Hail to Reason 5×5

ルヴァンスレーヴはこの世代が2世代目ですが、現2歳の育成状況を見ていると良い評価を与えられそうです。具体的には、良い意味で母系に悪い影響を与えない種牡馬のように映ります。

余談ですが、父シンボリクリスエスは影響力が強く、父としてはうまくいきませんでしたが、父父としてはうまくいきそうな予感がします。

そういう観点で、本馬のように兄姉が勝ち上がっているような繁殖においては期待通りかそれ以上の結果をもたらしてくれそうです。

配合的にはサンデーサイレンス+シンボリクリスエス+トニービン+ノーザンテーストはいかにも芝の中距離向きの配合。全体的なバランスも良さそうです。

オリンピックラスパルマスの23(父カラヴァッジオ)

オリンピックラスパルマスの2023

父:カラヴァッジオ
母:オリンピックラスパルマス (5歳)
母父:アグネスゴールド

牡馬

社台レースホース(関東)
募集総額 2,400万円(一口60万円)

5代目までのクロス:Mr. Prospector 4×5

本馬が日本にやってきた経緯までは調べ切れておりませんが、母父アグネスゴールドという面白い存在。母オリンピックラスパルマスは、ブラジルの3歳牝馬マイルG1・ピラシカーバ男爵大賞典の勝ち馬。

こういう〇外の馬は母系が日本にマッチするかどうかが心配の種になりがちですが、アグネスゴールドの仔ならそこまで心配がない点はよいでしょう。

配合的にはカラヴァッジオにスピードがある一方で、身体に硬さが出て距離の壁が出やすい点を呼応させない配合になっているので、おそらく本馬はマイル前後まで対応可能。ミスプロのスピードを活かして先行して、マイル戦で粘り込む姿が想像できます。

社台の外国馬種牡馬産駒のマイラーというジャンタルマンタルが頭に浮かびますが、そこまでの底力はないので、過度な禁物はしてはいけませんが、それでも2,400万円という募集価格なら検討する価値はありそうです。

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