6月の中央開催も終わりましたが、なんだかんだ今年もクラシックに向けて面白そうな馬が出てきたように思います。
個人的に「クラシックに向けて楽しみな馬」を取り上げてみようと思います。
ダノンフェアレディ(母メチャコルタ)
こちらはウタさんの指名馬です。
開幕週からすごい競馬をしてくれました。ざっと調べたところ、2歳新馬・未勝利の京都マイルで1分33秒台のマークしたのは過去10年でこれが4例目。前例の3頭のうち2頭(フミノムーン・イフェイオン)が重賞級の活躍をしています。
配合は今年トレンドの「キズナ+Danzig」。しかもそこにキズナの母系と相性がいいRobertoが入る形。
実は「キズナ+Danzig+Roberto」は個人的にかなりバランスがいい型だと思ってまして、今回の社台募集での同型のスピニングメモリーズの23に申し込んでいます。
距離に壁はあると思いますが、まずマイルまでは間違いないかなと思います。このレースは2着馬のショウナンザナドゥ(りんさん)含めてハイレベルと見ておくべきでしょう。
エリキング(母ヤングスター)
京都のラストウィークにとんでもない馬が出てきたかもしれません。それがエリキング(後藤利幸さん)。
これまたキズナ産駒でございます。そしてまたまた「キズナ+Danzig」です。
今年の2歳・1歳と社台グループはこの組み合わせを決め打ちのごとく配合。おそらく何らかの”確信”があったように思います。
それにしても母父High Chaparralですよ。ユニコーンライオンのような成功例はありつつも、G1を狙うには少し重い血。これを2億円オーバーで買っちゃう藤田晋社長の胆力(と資産力)はすごいですね。
そういう血統背景もあって、宝塚記念当日の湿った馬場はフィットして当然だと思いつつも、そこでたたき出したラップが秀逸。ラスト3Fは11.8-11.5-11.3(34.6)。
距離が違うのと、時間によってだいぶ馬場が変わっているので単純比較できないものの宝塚記念のレース後半3Fが11.7-11.3-11.5(34.5)ですから、2歳としては破格。
しかもラスト4F→3Fが13.0→11.8と急激にレースの流れが速くなったところをポジション上げていくほどなので、ギアを急に上げる瞬発力もありそう。字面以上にキレそうな予感がします。
内容は完璧に近かった割に、川田騎手のコメントが渋めだった点はやや気になりますが、これは6月デビュー組の中では牡馬クラシック筆頭でしょう。
クロワデュノール(母ライジングクロス)
一方で東京デビュー組は、デビューを回避する馬がいたりと個人的にはぱっとしなかった印象。
その中で名前をあげるとすれば、やはりクロワデュノールでしょうか(LONSDALEさん指名)。注目されているのはレースラップで、11.9-11.5-11.3-11.1-11.5と11秒台5連発の流れを2番手から押し切り勝ち。走りの質としてはノーザンテーストの持久力の色を感じる内容です。
タイムとラップだけ見れば世代上位といってもいいのでしょうが、個人的にはタイムはその時の馬場状態という水物の面もあるので、少し疑っている部分もあります。
11秒台連発というのは立派ですが、ラップの構成的には「瞬時にギアを変えられるのかな?」という疑問も。クラシックを目指すなら、持久力よりも、瞬発力のほうがカギになります。
あとクロワデュノールに関してはパドックから暴れていたりと気性面も課題。レースではアルレッキーノがハナに行ってくれたことでだいぶ助かった印象で、馬の教育という観点でいえば楽な競馬をしてしまった気も。次回以降、馬群で揉まれた際の折り合い崩壊リスクは増したようにも思います。
それにしても、2024年の世界において「母ライジングクロス」が炸裂するとは。この母の仔が最初にもてはやされたのはアースライズだったと記憶していきますが(POG各誌が絶賛の嵐)、あれがもう10年前の話ですか。時が流れるのは早いものです(笑)。
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