今年も2歳種牡馬リーディングの動向を見ながら、新種牡馬の傾向などについて気になったなどについてお話しできればと思います。
まず上位を見ると、現時点では出走頭数が多い種牡馬がそのまま上位に来ています。2位に入ったのが新種牡馬のサートゥルナーリア。やはりStorm Catが入っている分、仕上がりが早いという面はあるのかもしれません。
逆に頭数が少ないところでいえば、この世代がラストクロップのドゥラメンテ産駒は10頭がデビューして半数の5頭が勝ち上がり。
しかも、今週末の札幌2歳Sに出走予定のキングスコールやファイアンクランツ、新潟の新馬戦で粗削りながら素質を感じさせたマスカレードボールなど、重賞級のメンツが揃っており、この世代のクラシックの中心的存在になって最後の輝きを見せるかもしれません。
サートゥルナーリア以外の新種牡馬だと、アドマイヤマーズが8頭の勝ち上がりと順調。
しかも使われている距離はマイル~1800mが多く、父ダイワメジャーとは得意距離が異なります。1800mを使おうとする陣営も多く、調教や馬体の感じからそんな印象を受けているのかもしれません。
配合的には、7月27日の新潟未勝利を1.2秒差でぶっちぎったエンブロイダリーのように母系にサンデーサイレンスが入っていて、ヘイローを強調する配合だと、切れ味があるタイプが出そうです。
さらに先週はモカラマーズがダートで勝ち上がり。2000m以上への適性は未知数も、幅広いジャンルで走れそうです。
あと11位に入ったモズアスコットは勝ち馬率が2位と、なかなか1頭1頭の質が高そう。またダートでの勝ち上がりも多く、川崎のベアバッキューンがデビューから2連勝。
芝でも札幌デビューのメリディアンスターが札幌芝1500mの2歳レコードを更新。その後、すぐに記録を更新されたので、馬場の恩恵もあったかもしれませんが、マイル以下でスピードが求められる競馬が合っていそうです。
下位では、北九州記念ウイナーのアレスバローズの産駒が小倉で大活躍。2021年から熊本の本田土寿牧場に繋養されており、しっかり1年目から結果を出しています。
今年は変則開催で小倉2歳Sが中京開催だったりと、なかなか恵まれていない点もありましたが、産駒の仕上がりの早さを考えると、アレスバローズ産駒が小倉2歳Sを制するという未来は決して遠い話ではない気がします。
(文=桜木悟史)
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