クラブ馬POGの途中経過なんですが、前回から特に大きな動きがなかったので割愛。
ここ2週間ぐらいで目立つ勝ち方をしたクラブ馬があまりいなかった中で、先日のヤマボウシ賞でシルク対決を制したアメリカンビキニは今後面白そうな馬です(残念ながら指名者はなし)。
ここでせっかくなのでアメリカンファラオ産駒の成績をまとめてみましょう。
過去10年の成績を見ると
既走出走頭数:61頭
勝ち上がり頭数:41頭(67%)
1頭当たりの獲得賞金額:2,266万円
重賞出走頭数:8頭
という成績。ほぼ3頭に2頭は勝ち上がり、重賞にも出走できる率は高め。そしてカフェファラオとダノンファラオがG1級を勝利しています。
また勝ち上がり率が高いだけでなく、多くの産駒が複数勝利をあげているので獲得賞金の平均も高め。数字を見れば、かなり優秀な種牡馬だといえます。
では、アメリカンファラオ産駒は買いなのか?
ここでは一口馬主クラブで募集されたケースで考えてみようと思います。下記はクラブで募集されたアメリカンファラオ産駒の獲得賞金と回収率。※2024年10月1日時点
- コルドンルージュ(サンデー) 4,629万/77.2%
- メリタテス(広尾) 2,854万/50.1%
- アメリカンビキニ(シルク) 1,931万/38.6%
- ネフェルタリ(ユニオン) 1,850万/71.2%
- ムーンビード(社台TC) 700万/14.0%
複数勝利をあげている馬はいるものの、意外にも募集金額を回収できている馬はいません。個人馬主のほうが現状は結果が出ています。
アメリカンファラオ産駒は募集金額が高めであることはポイント。上記の馬でいえば、ユニオンのネフェルタリ以外はすべて5,000万円以上で募集されており、元々ダート牝馬という回収のハードルが高いカテゴリであることを考えると、ある意味、納得とも言えます。
このことから、アメリカンファラオ産駒が回収を狙っていくのは分が悪そうにも見えます。
ただ、今後に関しては「案外、狙い目になるのでは?」という予感も。種牡馬として人気を集めていた当時は種付け料が20万ドルだったところから、現在は1/4にあたる5万ドルにまで下がってきており、今後はもっと安い値段で産駒が募集される可能性もあります。
それこそ米国での需要が下がっている一方で、日本でコンスタントに活躍馬が出てきていること、そしてアメリカンファラオ自身がまだ12歳ということを考えると、日本のどこかのスタリオンが手を挙げるようなことがあれば面白いかもしれません。
リフレイムという例外はいるものの、基本的に産駒はダート一辺倒ですから、アメリカンファラオ産駒の牡馬で当たりを引きにいくというロマンはありだと思います。
気難しい面が全面に遺伝する難しさはあるものの、上記に示した勝ち上がり率や獲得賞金のアベレージの高さは優秀ですから、今後、クラブで牡馬が募集され、値段が5,000~6,000万円以内に収まるようであれば検討の余地が大いにありそうです。
(文=桜木悟史)
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