昨日11月20日に出資している1歳馬を見学してきました。そちらで見聞きした内容をレポートします。
スピニングメモリーズの23(父キズナ)
スピニングメモリーズの23は、現在は週3程度で18-18の54秒のペースで乗っており、最近は馬場が悪いので実質17-17ぐらいの負荷はかかっているとのこと。このペースで進めて準備が整えば、春先には15-15にすぐに移行できるとのお話でした。
気性面は同期の中でも優秀で、操縦性は高いそう。たまにキズナ産駒らしいカッとする瞬間はあるが、基本的に手間はかからないそうです。
個人的にツアー時から気になっていた前進気勢の面について伺うと「そこは問題ない。半兄(スパイラルビジョン)はオルフェのずる賢い部分が出ている」とのことで、牝系特有の特徴ではなさそうです。
ツアー時には足をバンバンと前掻きしまくっていた本馬ですが、今回はかなり落ち着いていました。それでいて、遠くで馬がいなないても最低限の反応だけ、雪が落ちる音にも動じなかったので精神的に強そうです。
人間に対しても適度に警戒をしつつも、すぐに納得してナデナデを受け入れてました。自分が出資してきた牝馬の中で精神面は一番良いと感じました。
フィジカル面も11月頭の更新から+16kgの487kg。トレーニングを重ねてもカイが細くなることはまったくないそうです。 直近には須貝調教師も様子を見に来たそうで「夏デビュー目指しましょう」という目標設定だそうです。
まだ適性についてはわからないものの、スタッフさんからは「パワーもあるし、函館デビューもいいかもしれないですね」とのコメントを頂きました。
ネオフレグランスの23(父サトノクラウン)
ネオフレグランスの23は10/10にノーザンファーム空港に移動してきて、コースに慣らすところまでは進んでいます。慎重な性格らしくですが、環境の変化でカイ食いが悪くなるようなことはなかったそう。
まだ本格的に乗ってもいないので、適性などに関してはこれから。身体が大きくなるかはわからないところもあるが、まだ体型が定まってないので「成長の余地はあります」とのこと。「とりあえず400kgは超えてくるでしょう」とやや弱気な感じでしたので、過度な期待はせず、この馬なりの成長は待ちたいと思います。
ただ個人的な評価としては、400kg未満とは思えないぐらいの全体のフォルムは小さく見せません。裏を返せば、全体的に幅がないともいえるわけですが、フォルム自体が小さいとどうしようもないので、この点は悪くないと思います。
すでに冬毛が生え始めている中で、毛艶は良く見えました。ご飯も普通に食べられていることから内臓や代謝はよさそうに映りました。あとは本格的な調教が始まったあとに、しっかりカイバを食べて、食べたものが筋肉になっていくかどうか。
気性は普通。触るまではこちらことを探るような感じでしたが、匂いを嗅がせたら納得したのか甘えるような仕草も。サトノクラウン産駒は全般的に変なクセはないそうです。
まだ本格的な調教も始まってないこともあって、カメラに興味津々だったり、まだまだ仔馬という感じ。現時点では特に語れるようなことはないかなと思います。
オーロトラジェの23(父レイデオロ)
オーロトラジェの23は、約1ヵ月前にノーザンファーム早来に移動してきて、現在は馴致の準備中。馬着を着せる時には反応があり、敏感な一面があるという評価に。
兄弟の比較でいうと、半兄ショウヘイ(未デビュー)は1歳の時から立ち上がるようなところがあったが、今のところ、本馬はそういう感じはないとのこと。
見学をしていても、スタッフが鳴らした音に集中しており、反応は悪くありません。ただところどころで耳を後ろに倒すような素振りもあり、「嫌なことはイヤ」という頑固な一面はありそうです。レースでも嫌なことは起こるので、このあたりは直しておきたいところです。
身体については426kgの割に体高があるように映りましたし、まだ腰高なので体型は変わっていきそう。
距離はもちそうな印象。1800m以上とかが合うんではないでしょうか。この点はスタッフさんも同意で、あとは気性面次第と思われます。
まだ見学時は本格的な調教をしていないこともあり、精神面はまだ仔馬のままという感じ。ただ人に頼る感じではなく、それなりに自我は持っているので、ここは悪くないと感じました。
編集雑記
今回、個人の牧場見学としては初めて社台ファームさんに訪問させて頂きました。
社台ファームさんは結構、顧客情報をチェックしているのか「社台への出資は初めてですか?」と聞かれました。そこで「実はローエングリンから競馬好きになったんです!」という話になり、いろいろ楽しく話をさせて頂きました。
社台ファームさんは、景色も、そこで働く人たちも純朴な感じですね。馬の適性について質問した際も「この時期は正直わかんないです(笑)」という感じ。ただそれは無責任なのではなくて「今の時期、私たちが大切にしているのは体調だったり、脚元のことなんです」ということで、そこに細心の注意を払っている様子でした。
厩舎の責任者の方も実際にまたがって、いろんな人の意見を大切にしながら、決めつけずに馬を育てていっているんだろうなという雰囲気が伝わってきました。
ノーザンの各牧場より空港からは距離がありますが、ぜひ機会があれば再訪したいと思います。素敵な場所でした。
最後に、どうでもいい情報をひとつ。
北海道の牧場見学の際はキャロット割引のあるニッポンレンタカーを使っているのですが、ニッポンレンタカーの会員になると、そこまで値段は変わりません(笑)。
それでも多少はキャロットクラブ割引を使うと安いんですが、ニッポンレンタカーのポイントはつかず(カウンターで確認しました)、楽天ポイントやTポイントなどの付帯サービスのポイントもつかないとのこと。
社台グループの特典である日産レンタカーの割引もそこまででもないですし、いろいろ使い分けするほうがいいのかもしれないですね。
(文=桜木悟史)
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