当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
ボージェストの2019
ボージェストの2019
父:エピファネイア
母:ボージェスト(8歳)
母父:キングカメハメハ
5代目までのクロス:サンデーサイレンス4×3,Hail to Reason 5×5
メス
募集金額:4,000万円
預託予定:美浦・手塚貴久厩舎
3年前に執筆した種牡馬分析記事の中で「エピファネイア産駒は母系にミスプロが入る配合は確率が高そう」と書きました。
その中で母父キングカメハメハの組み合わせからは牝馬三冠のデアリングタクトが誕生。改めてデータをアップデートすると、
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◆「エピファネイア+母父キングカメハメハ」(現3歳以上/4月11日時点)
30頭中12頭中央勝ち上がり(勝ち上がり率 .400)
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初年度産駒はこの組み合わせは牝馬優勢だったものの、上記12頭の内訳は牡馬5頭・牝馬7頭と偏りはなくなりつつあります。ただ賞金上位はデアリングタクトを筆頭に4位まで牝馬が占めているので牝馬である点は加点材料。
Sadler’s Wells・NureyevのSpecialクロスに、Never Bend・Bold Reasonの半兄弟クロスとシーザリオの色もしっかり引き出してくれそうなインブリード配合です。
この配合でポイントになるのは牝系にあるダイナカールの存在で、この点で魅力を感じる方も多いかもしれませんが、筆者は少しネガティブに見ています。
本馬は京成杯3着のスカイグルーヴと実質同血で、スカイグルーヴの戦績に注目すると「気性的に難しい部分があるんだろうな」という評価。筆者はシルクの会員ではないので近況コメントを読んでいる訳ではありませんが、2000mで戦っていた馬がマイル→1400mと転戦。本馬を評価する上でこの疑いを避けては通れません。
なお、この仮説はスカイグルーヴを見ての判断というより、「シーザリオとダイナカールという気性の影響度が高い牝系同士がぶつかりあっている配合」という第一印象の元、エピファネイアとダイナカール牝系の組み合わせがどうかを調べた上での仮説です(バルバレッタの戦績も同じような感じでムラを感じます)。
気性的な難しさという点において、重要になるのは騎手の存在。今回所属する手塚貴久厩舎は以前ほどルメール騎手とのつながりはなく、この馬を扱えそうな騎手でつながりはあるのは横山武史騎手ぐらい。横山騎手以外の日本人騎手には荷が重い印象で、競走キャリアに苦労がつきまといそうな1頭だと言えます。
加えて、優秀な母系ゆえにアワブラッドとして人気になるのも頷けるのですが、この馬が繁殖にあがった時に何をつけるかは現時点において難問。現実的にはサトノクラウンやドレフォンあたりが有力ですが、逆にそれぐらいしか選択肢がないのも事実で、そのあたりを見越すと「一口10万円が妥当なアワブラッドなのか?」という点は古参としては気になります。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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