POG一口馬主情報局

POG、一口馬主のための情報サイト。ドラフト型POG開催中。2歳馬、3歳馬の次走近況情報も掲載。キャロットクラブの出資馬の選び方や種牡馬別の配合や厩舎・調教師データなどを解説

2022年度 新種牡馬分析[サトノクラウン・リアルスティール・サトノダイヤモンド・マインドユアビスケッツ]

| 0件のコメント

今年もそろそろ各クラブの1歳馬の募集が始まる頃合いで、新種牡馬に対する関心も高まっている。この記事では、サトノクラウン・リアルスティール・サトノダイヤモンド・マインドユアビスケッツを分析・予測していく。

■サトノクラウン

サトノクラウンというと、どうしても香港ヴァーズや渋った馬場の宝塚記念の印象が強く、欧州っぽい重たいイメージを受けてしまうが、しかし実際には東スポ杯2歳Sで33秒台の末脚を使うなど、スピードに溢れた種牡馬といえる。

改めてサトノクラウンの戦績を見返してみると、キレがないというよりは他のSS系の成長力に負けてしまい、切れ味の面でどんどん追い抜かれてしまい、結果的にスタミナやパワー勝負になったレースでばかり勝ち星をあげることになってしまったという評価。産駒の成長力という点では少しネガティブな要素があることは頭の片隅に置いておきたい。

さて配合の分析に入っていくが、本馬の血統表を見た時に連想したのがレイデオロである。

どこに注目したかといえば、本馬が持つBuckpasser 5×5のクロスの部分で、これがあることで器用な競馬ができる。舞台こそ違うが、互いに2200mの重賞を勝っているあたりはこの血の効果だと感じざるをえない。

そこを参考にすれば、まず注目配合として取り上げたいのは「シンボリクリスエスの血を持つ繁殖牝馬との配合」となる。単純にレイデオロに血統構成を寄せると同時に、シンボリクリスエスが内包するTom FoolによってBuckpasserのクロスが継続されるE配合となる。中距離以上でそこそこに切れて、器用な競馬ができるタイプとなるだろう。

あとサトノクラウンを語る上でポイントとなるのがMachiavellian。渋った馬場で他の馬が切れない中で相対的に鋭い末脚を使えるのは、まさにMachiavellianらしい内容といえるもので、サトノクラウンがこの血の特徴を強く押し出すなら、それと相性のよい血を母方に持ってくるのが手っ取り早い。

具体的には「母父ディープインパクト」「母父ハーツクライ」あたりが有力。ジョコンダⅡとディープインパクトとの相性が問題ないことは半弟のフィリオアレグロや、近親のマテンロウディーバが証明済み。

そしてハーツクライに関しては、半妹のポンデザールもさることながら、シュヴァルグランやロジクライといったあたりが好相性を示している。加えて、筆者は「ハーツクライ+Miswaki」の組み合わせも加点評価できる組み合わせだと考えているので、いま勢いがつきつつある母父ハーツクライから大物が誕生する可能性もありそうだ。

▼桜木の注目ポイント
○:シンボリクリスエスの血を持った繁殖牝馬に注目
○:母父ディープインパクト、母父ハーツクライは好相性
△:そこまで成長力は強くないので完成度が高い馬を選ぶのが吉

■リアルスティール

リアルスティールについては、すでに産駒がデビューしている同じく「ディープインパクト+母父Storm Cat」で共通するキズナの産駒パターンが分析のヒントになるだろう。

3年前にキズナ産駒の特徴について 予測記事 を書いた。その中で繁殖側に【ロベルト】【グレイソヴリン】が入ると良いと書いた。これがベストの配合ではないものの、ロベルト系のKris.S持ちのクリスタルブラックが京成杯勝ち、母系にグレイソヴリン系のCaroやジャングルポケットを持つビアンフェやアブレイズが重賞ウイナーとなっているので、一定の評価はできるだろう。

では、この配合はリアススティールにも応用できるのか? 答えとしては【グレイソヴリン】だけは応用できる可能性が高い。

その理由としては「キズナ+ロベルト」を評価した理由はキズナのボトムラインとロベルトの相性を評価したものであり、牝系が異なるリアルスティールには応用できないためだ。

逆にグレイソヴリンはStorm Catとの相性を評価してピックアップしたものなのでリアルスティールにも応用できるだろうという算段だ。なので、1番目の注目配合として「リアルスティール+グレイソヴリン系」を紹介したい。

ちなみにCaroのように速いグレイソヴリンと組み合わせるとビアンフェやキメラヴェリテのように短めの距離でスピード勝負できるタイプに、ジャングルポケットのようにスタミナの血を含んでいる場合はマイル~中距離向きになりやすいはずだ。

あと直近のキズナ産駒の成績上位を見ていると、ノーザンテーストやそれに近い血を持つ馬やDeputy Ministerなどのスピードを持続させる血を持つ賞金アベレージが高いことに気付く。代表例としてはビアンフェ(ノーザンテースト)やバスラットレオン(The Minstrel/ノーザンテーストと3/4同血)、クリスティ(Vice Regent・ノーザンテースト両持ち)が好成績を収めている。

この理由について、残念ながら筆者の血統理論では解説できないのだが、おそらくイメージとしては「Storm Catスイッチで好スタートを切って中盤までリード、後半からはノーザンテーストなどの血でスピードを持続させる」という組み合わせがハマっているのだろうと推測される。

※「Storm Catスイッチ」とは、血統評論家の栗山求さんや社台SSの三輪さんが使われる表現で早い時期から活躍できる早熟性や、レースに前向きな気性的効果を与える

リアルスティール自身もStrom Catの効果もあって前々で競馬をできたタイプだったので、上記の血とは相性がよく、クロフネ牝馬との組み合わせ賞金の稼ぎがよい馬が出てくるだろう

最後にリアルスティールを語る上で避けて通れないのが名牝Miesqueの血だろう。どうしても血統ロマン的に「キングカメハメハ産駒の牝馬と交配させてMiesqueクロス」を目指したくなるが、これについては何とも言えないというのが正直なところ。少なくともノーザン・社台系では現1歳は2頭しかおらず、少なくとも牧場側はこの名牝クロスをそこまで意識していない空気を感じるので、この配合については現時点でポジティブに評価しない。

▼桜木の注目ポイント
○:Caroなどグレイソヴリン系との組み合わせで快速馬誕生を期待
○:ノーザンテースト[Far North,The Minstrel]持ちに注目
×:Miesqueクロスはおそらく加点材料にならない


■サトノダイヤモンド

菊花賞・有馬記念の2つのG1勝ちがあるサトノダイヤモンド。フランス遠征に行くまでは3着以内を外したことがない優等生型のディープインパクト産駒。差し馬に分類されるので、末脚はある一方で意外と上がり33秒台は3回しかマークしていない。つまりサトノダイヤモンド自身は前述のリアルスティールのStorm Catのような爆発力を生み出す血を持っていないことは特徴のひとつと言える。

血統表で特徴的なのはHaloの3x5x4クロスの存在で、日本の高速馬場で本領発揮できたわけです。それでいて母系側に日本でメジャーな血が少ないのでSSさえ濃くなければ相手を選ばない点は種牡馬としての強みだろう。

その産駒の特徴の予測だが、結論を書くと【母系次第】と言わざるをえない。おそらく父ディープ同様に、相手の繁殖牝馬の色を引き出す傾向が強いので芝1200mから芝2400mまで幅広いレンジで産駒が活躍する可能性が高い。

さらに筆者は「サトノダイヤモンド産駒はダートでも活躍する」という仮説を持っている。

その理由としては、まずHaloをクロスさせたディープインパクト系統としてダノンバラードがダート戦線で活躍中のロードブレス[日本テレビ盃]を輩出。筆者は血統表の中にあるDevil’s Bagからロージズインメイに近い部分もあるだろうと予測している。

加えて母系にあるサザンヘイローもダートに対応できるタイプの血で、近年ではカフェファラオやミッシングリンクがダート戦線で活躍しており、ここが強く主張するならダートの活躍馬が出てきても何の不思議もないと見ている。

好配合に関しては、母系次第で適性も変わるので答えはないのだが、個人的に注目したいのは「母系にGlorious SongやCoup de Folie[Machiavellianの母]が入る配合」からOP~重賞級の誕生を期待したい。

前述の通り、サトノダイヤモンドの血統的強みはHaloのクロスであり、これを母系側のHaloで受け止めてクロスを継続することでサトノダイヤモンドの能力が受け継がれやすくなるため、そこを刺激するようなHaloを内包する名牝の血との配合に注目したい。

▼桜木の注目ポイント
○:芝の短距離から中距離、さらにダートまで可能性を秘めている
○:Glorious SongやCoup de Folieなどの名牝の血を持つ馬に注目
×:(母方次第だが)パワー系の血に乏しいのでパワーを要する芝は割引か

■マインドユアビスケッツ

マインドユアビスケットは米国・ドバイの主にダ6~7Fで活躍したスプリンターで通算25戦8勝。その血統表をみると、日本でも馴染みのあるDeputy MinisterRahy、Awesome Againなどの血を持ち合わせており、配合次第で日本の馬場にあった産駒も誕生しそうです。

ただ、それと同時にそれぞれの血が向いているベクトルがバラバラで、産駒の方向性に統一感を持たせられにくいので生産者受けがいいのかはやや疑問。具体的にいうと、父方は日本の芝でもやれそうな一方で、母系はダートのほうがいいので、現時点ではどういう産駒が活躍するのか予測が難しい点は気になる。

上記の理由もあって、現時点で筆者は懐疑的な評価をしており、かつ自身がノーザン系のクラブにしか入っていないので(現1歳のマインドユアビスケッツ産駒のノーザンファーム生産馬は4頭しか登録されていない)、POGや一口馬主ではおすすめせず、馬券的にどういう特徴がありそうか探るぐらいのスタンス。

なので「注目配合は?」と聞かれると正直、困るものの、あえて挙げるなら「ステイゴールドやダイワメジャーなどのノーザンテースト持ちとの配合」に注目してみたい。

その理由としては、マインドユアビスケッツがDeputy Ministerのクロスを持っていることから、このクロスから引き出されるスピードの持続力の部分を強化する配合が一番計算が立つため。そのために母系に相性のよいノーザンテーストを持ってくることが望ましい。

このDeputy Minister・ノーザンテーストの組み合わせの良いところは、スピードの持続力と同時に、ダートにも対応できるパワーももたらされる点で、上記の産駒の特徴が予測しづらいというデメリットをカバーしてくれる。芝で活躍後、ダート戦線に転戦して活躍しているマルシュロレーヌがオルフェーヴル(ノーザンテースト)+母父フレンチデピュティ(Deputy Minister)がわかりやすい例だと言えるだろう。

▼桜木の注目ポイント
△:芝・ダートどちらに向くのか予測がつきづらく、しばらくは生産者も手探り状態か?
○:ノーザンテースト持ちなら芝ダ兼用のアベレージ型誕生の可能性あり

■編集後記

2022年度デビューの新種牡馬は血統的には特徴はあるものの、ここであげた4頭は父が超個性派という訳ではなく、全体的に母系次第の馬が多い。

それでも個人的に馬券の相性が良くなかったこともあり、スタッドイン時にはあまり関心を持っていなかったサトノクラウンは実際に配合を考えてみると面白かったので一口馬主ライフにおいては前向きに検討したいと感じた。

サトノダイヤモンド産駒も条件を問わない可能性を秘めているので、回収率重視の一口馬主の方々にはおすすめしたい種牡馬だ。

今回の記事では社台スタリオン繋養の馬を紹介したが、それ以外ではベストウォーリアはダートでお馴染みのA.P.Indy系ということで生産者受けは良さそう(種付け頭数 2019年158頭、2020年155頭)。

また個人的な思い入れではファインニードル産駒の活躍に期待したい。ファインニードル自身には思い入れはないが、個人的に血統として大好きなエンドスウィープ直系の種牡馬ということで、サウスヴィグラスがなくなった今、存在感を示してもらいたい1頭だ。

(文=桜木悟史) @satoshi_style

バックナンバーはコチラ




←他のPOGサイトも見てみる


コメントを残す

必須欄は * がついています