先週の新馬戦の注目馬をピックアップしたい。
ウインミレーユ(父ステイゴールド、母アラームコール、母父ブライアンズタイム)
タイム自体は平凡だったが、今後の成長次第で「馬券的に妙味がありそうな1頭」
次走は新潟2歳Sが有力になっているようだが、新潟2歳Sは例年、後方から凄い脚を使ってごぼう抜きするようなタイプに有利なレースになることが多い、ウインミレーユのような立ち回りで勝負する馬には不利になりがちで次走以降は静観が必要とみる。
しかし、それでもなぜ注目するべきかというと、ステイゴールド産駒の牝馬は「古馬になってから大成するケースがある」からだ。POG期間という括りで見ると、レッドリヴェールの活躍はあるものの少し物足りない。しかし古馬重賞に目を向けるとアルコセニョーラ(福島記念、新潟記念)やコスモプラチナやソリッドプラチナム(ともにマーメイドS)など、POG期間では目立った活躍をしていなかったのにいきなり大成してくるケースがある。しかも、その多くが人気薄であり、馬券学的には忘れておきたくない存在だ。
加えて、ステイゴールド産駒で重賞を勝つような牝馬の特徴として挙げられるのが「小柄」であるという点だ。これはステイゴールド産駒全体では、500kgを超えるような大柄な馬のほうが勝率がいいのだが(特にダートはその傾向が顕著)、牝馬に関しては一概にそのデータが当てはまらない。牝馬で大成する馬のほとんどが400kg台前半、400~440kgぐらいのゾーンで競馬に向かっている。今回のウインミレーユもこれに該当する。今回のレースの勝ち方もなかなか味のある勝ち方で、忘れたころに人気薄での一撃があるかもしれないので忘れずにメモしておきたい1頭だ。
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プリンシパルスター(父ダイワメジャー、母シルクプリマドンナ、母父ブライアンズタイム)
フラムドグロワール(NHKマイルC3着)、ネオルミエール(いちょうS2着)の半弟にあたる、POGファンにはお馴染みな一族。大きなタイトルはないものの、堅実な走りでポイントゲッターとなる一族で今年も手堅く新馬勝ち。
これまでの一族の経緯を考えると、この馬も掲示板級の活躍を繰り返す可能性も高いが、上2頭は藤沢厩舎ということで、名前は挙げないが勝ちきれない騎手が乗ることも多く、矢作厩舎に変わったことで兄たちとは違った戦績を残してくる可能性もあり、この馬に関しては今後、鞍上に注目してみたい。実際、矢作厩舎にいた半兄グランプリブラッドはデムーロに乗り替わった途端に初勝利。騎手次第でさらに上のステージに行ける可能性がある。
そして血統的な話をもう1つすると、以前掲載した 「ダイワメジャー産駒の中からPOG活躍馬を見つける方法」 で紹介した「仕上がりが早い」「母系にNothernDancerを持つ」の2点を見事に押さえている。つまり、シルクプリマドンナ産駒の仕上がりの早さとダイワメジャーとNothernDancerの相性の良さがマッチした好配合だと評価できる。統計から言えば、マイル前後の重賞戦線で活躍できるポテンシャルと秘めていると評価したい。
さて、この馬に関しては種付けに注目して少し余談も書かせて頂きたい。
兄たちがこのように勝ちきれないとSS産駒を豊富に抱えているのでノーザンファームとしては、どんどん父を変えたくなる。実際、ノーザンファームはそのように取り組んでいる。ところがシルクプリマドンナに関しては、プリンシパルスターの下は流産を挟んで2つ下もダイワメジャー産駒である。
近年の種付けを見てみると、
2010年:ダイワメジャー(フラムドグロワール)
2011年:マンハッタンカフェ(不受胎)
2012年:ネオユニヴァース(ネオルミエール)
2013年:ダイワメジャー(プリンシパルスター)
2014年:ゼンノロブロイ(流産)
2015年:ダイワメジャー
となっており、結果論なのだがダイワメジャー率が高い。
こういうことから見ても、今年の2歳戦ではダイワメジャー産駒がとても活躍しているが、その背景にはダイワメジャーの産駒が丈夫な仔で無事に生まれてくるという一因があるのかもしれない。正確なデータをとってはいないが、受胎率なども優秀なのかもしれない。
シルクプリマドンナの2015は牝馬に生まれたこともあり、マイル路線の番組に困らないことはずでこの一族の中でも最も条件に恵まれたと考えている。ぜひ2年後のPOGでは忘れずにこの存在はチェックしておきたいところだ。
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