これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方をお伝えします(当診断記事シリーズを初めてご覧になられる方は先に こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する賞金回収率を重視
・クラブ内世代トップ10を目指せるか?
<主な分析ファクター>
・血統&配合、種牡馬傾向、性別傾向
・厩舎力、厩舎傾向
・DVDでの動き(怪我のリスク)
ルヴォワール
父:ハーツクライ
母:リュヌドール
牝馬
募集価格:2800万
預託予定先:手塚貴久厩舎(美浦)
母リュヌドールはイタリアやフランスで重賞を勝利、ジャパンCにも出走し7着。こういった、ある程度、日本の馬場に適性がありそうな繁殖牝馬から生まれる仔からは大物が出てくるパターンもあるので警戒しておきたい1頭です。
ただし、現時点では厳しい見方をしておきます。
ハーツクライ産駒の最近のトレンドは「ハーツクライのヨーロピアンな重厚に、スピード感のあるスピードタイプの血を加える」というもの。わかりやすい例で言えば、ワンアンドオンリーの母父タイキシャトル、ヌーヴォレコルトの母父スピニングワールドといったパターン。
それに対しこの馬の母母父Noir et Or(ノワールエオール)はシャンティ大賞[芝2400m]を勝つなどバリバリの中長距離血統。事実、その血を受け継いだリュヌドールも2000~2500mの中長距離路線で活躍しました。この手のタイプとハーツクライを配合した場合とイメージが似ているのは母父にエリシオを持つアドマイヤラクティ。このように中長距離血統と配合した場合は、産駒もステイヤーになる可能性が高そうです。
この点を踏まえると、この馬にとって厳しいのは牝馬であるという点。
牡馬に比べて中長距離路線は充実しておらず、ステイヤーとして優れた資質を持っていたとしてもその能力を発揮する舞台に恵まれない可能性があります。また預託予定先も短距離・マイラーの名門・手塚厩舎なので、馬の適性と厩舎のミスマッチ感は強い気がします。
馬体に関しても、体全体のバランスがよくなく、また馬を歩かせると脚を回したりする癖があるので印象は良くありません。具体的に悪い箇所が見受けられるわけではありませんが、バランスの悪さから脚などに負担がかかる事態はあってもおかしくないとみます。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます。
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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http://pog-info.com/archives/category/clubhorse/carrot2014
▼各種データはこちらを参考にしています
種牡馬辞典(2015-2016) |
2016年6月10日 02:14
この馬の出資者です。故障リスクについては自分も気になる点はあるにはありますね。
ただ、母の父はGreen Tuneですよ。ニジンスキーにミスプロでーす。