これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いています(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する賞金回収率を重視
・クラブ内世代トップ10を目指せるか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
エクストラブレンド
父:ディープインパクト
母:ウルトラブレンド(9歳)
母父:Richly Blended
5代目までのクロス:なし
牡馬
募集価格:10,000万円
預託予定先:美浦・手塚貴久厩舎 (調教師データ分析)
まず母ウルトラブレンドの戦績のおさらいです。
ウルトラブレンドは北米G1を2勝している牝馬で、その勝ち鞍であるサンタアニタレイディズシークレットSとクレメントLハーシュSはダートの8.5マイル戦。ノーザンファームは北米からいろいろな血を取り入れていますが、ディープインパクトに交配した場合は適性距離としてはマイル前後で活躍した馬の産駒はそれなりに活躍していますので悪くはないと言えそうです。
さてディープインパクトとミスプロ系の配合の場合、バランスを考えるとそれ以外の部分でパワーやスタミナを補ってあげることがポイントです。
たとえば、わかりやすいのがSadler’s WellsやLyphardなどの血を入れてあげるパターンです。本馬の母系は比較的、日本に馴染みの薄い血が多めなので評価は難しいところですが、字面を見た印象としては少しスタミナの部分で物足りないように思えます。クラシック路線というより、マイル寄りの距離のほうが力を発揮できるような気がします。それを裏付けるように全姉のベアインマインドもマイルで勝ち上がり。その点、マイル以下の距離に良績が集まる手塚厩舎に預託されるのはプラスだと言えそうです。
近年のディープインパクト産駒の活躍馬を見ていても5代目までにNorthern Dancerのクロスを持っている馬が多く、本馬も8代目まで広げると5×6のクロスを持っていますが、5代目までに何もクロスを持たないというのは少し不安が残ります。
ちなみにディープ×ミスプロの組み合わせでクロスがない馬といえば、朝日杯FSを勝ったダノンプラチナがいますが、こちらの場合はディープインパクトと好相性のUnbridledの血が入っているというとことでその成功パターンとの比較してしまうと、血統・配合的には少し推しづらいというのが筆者の見解です。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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