これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いています(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する賞金回収率を重視
・クラブ内世代トップ10を目指せるか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
レイエンダ
父:キングカメハメハ
母:ラドラーダ(9歳)
母父:シンボリクリスエス
5代目までのクロス:Mr.Prospector 3×4、Northern Dancer 5×5
牡馬
募集価格:7,000万円
預託予定先:美浦・藤沢和雄厩舎 (調教師データ分析)
昨年、2年落選組の中で抽選になるなどかなり人気を集めたレイデオロの全弟です。ラドラーダの仔は本馬が3頭目ということで、本馬について評価をするためには、全兄や半兄ティソーナ(ダイワメジャー)について分析していくのが選馬の近道だと言えそうです。
まずティソーナに関しては募集時から好馬体でマイラーという評価をしていましたが、この春の騎手コメントなどを読んでいるとスプリンター寄りで1200~1400mがベストという評価。そして全兄のレイデオロについては募集時にはティソーナと比べて距離の融通は効きそうだと感じましたが、今年の2月あたりの写真を見るとマイラー感が漂い始めました。これらのことから本馬の1つの仮説として「募集時の馬体に関係なく適性距離は短くなる」という傾向は頭の片隅にいれておくとよいかもしれません。実際、カタログのコメントも胴が短いことに触れ、短距離を匂わせる文章になっており、上記の傾向も踏まえるとこの馬体がさらにスプリンター・マイラーっぽくなる可能性は考慮しておきたいところ。
配合としては、キングカメハメハ産駒でMr.Prospecterのクロスが入っているため、血統だけでいえばダート色が強くなってもおかしくありません。去年の全兄の評価記事にも書きましたが、「キングカメハメハ×母父シンボリクリスエス」の組み合わせには同じキャロットクラブで強烈な末脚でもってダートで活躍したリーガルプレゼンスがいます。藤沢厩舎の傾向とノーザンの思惑を考えると最初は芝で使われるはずですが、ダートに替わった時に急変する可能性はあります。そこでダートを使ってくれる厩舎なのかと聞かれると微妙なところではあるので、その部分のフラストレーションに関しては事前に覚悟しておきたいところ。
厩舎に関しては、今年に執筆した 調教師データ分析記事 で「藤沢厩舎は外国人騎手への騎乗依頼増加で復活する」と書きましたが、その読み通りに復活しつつあります。昨年は32勝でリーディング19位だったのが、今年は本記事執筆時点で29勝の全国3位。完全に復活しつつあります。キャロットクラブの会員の中にはアンチ藤沢和雄厩舎の方の意見を散見しますが、これを鵜呑みにするのはあまりおすすめできません。
また藤沢厩舎に関しては、去勢の多さが話題に挙げられますが、本馬については去勢のリスクは低いと思われます。理由としては、ノーザンの判断として種牡馬になれる可能性がある馬に関しては去勢をしないため。当然気性や成績次第では去勢のリスクがありますが、本馬についてはウインドハーヘアの血を受け継いでおり、種牡馬になれるだけの血統のポテンシャルがあるのでノーザンの抑止力が働くとみています。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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