これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する賞金回収率を重視
・クラブ内世代トップ10を目指せるか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
リリーバレロ
父:ロードカナロア
母:ヴィートマルシェ(13歳)
母父:フレンチデピュティ
5代目までのクロス:Northern Dancer 5x5x5
牝馬
募集価格:2,600万円
預託予定先:美浦・堀宣行厩舎 (調教師データ分析)
▼参考記事:新種牡馬分析[ロードカナロア]
http://pog-info.com/archives/2731
血統評論家の栗山求氏の言葉を借りれば「ロードカナロアはスピードが十分あるので、母系でパワーやスタミナを補ってあげるとよい」という視点でみれば、フレンチデピュティから北米系のパワー、そしてダンシングブレーヴからは欧州のスタミナを補っているように見えるので、全体のバランスとしてはとてもよく見えます。また今の日本競馬での活躍には欠かせないNorthern Dancerの血も適度に含んでおり、配合は魅力的に映ります。
しかし、母ヴィートマルシェの戦績を見るとダ1000mでの1勝、そして祖母のキョウエイマーチもかなりスピード色の強い馬でしたので血統表から受ける印象とは裏腹に母系もスピード系ですので、スピード×スピードの組み合わせがどう働くか気になります。字面や兄姉の成績だけで言えばマイルにも十分対応できそうですが、場合もよっては1200m専門の馬になってもおかしくないと見ています。
この配合のミソは、やはりSSの血を含んでいないという点でしょう。兄姉4頭で中央10勝と安定感のある繁殖牝馬ですが、その4頭の父はいずれもSS系。今回、初めて非SS系との交配ですので、兄姉同様、コンスタントに走るタイプになるとは限りません。ロードカナロア自身がSS系牝馬との交配で期待されている側面も強く、ロードカナロア×非SS系牝馬の実験台的な要素もある配合だと見ています。
あと統計的な話で少し気になるのは、堀厩舎と牝馬の相性。堀厩舎はキャロットクラブだけでも4億円近く稼いだリアルインパクトに、先日の札幌記念を勝利したネオリアリズムなど活躍馬が多数。しかし、牝馬に関しては活躍馬が少なく、キャロットクラブでも一番賞金を稼いだのがスペクトロライトの1,640万円と明らかに牡馬優勢なデータとなっており、今回は牝馬ということでここはマイナスポイントとします。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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http://pog-info.com/archives/category/clubhorse/carrot2015
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