これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する賞金回収率を重視
・クラブ内世代トップ10を目指せるか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
ライレローズ
父:ディープブリランテ
母:ヴィアンローズ(13歳)
母父:Sevres Rose
5代目までのクロス:なし
牝馬
募集価格:2,000万円
預託予定先:美浦・古賀慎明厩舎
ディープブリランテ産駒は執筆時点でまだ勝ち上がりが2頭と、データで語れる部分が多くありません。しいていうならば、現時点で勝ち上がり2頭はともに牝馬で、それ以外の賞金上位も牝馬が多いので、もしかすると牝馬優勢の面があるかもしれません。これは一部の血統理論で言われる「Rivermanの血は牝馬で活きる」影響かもしれません。
ヴィアンローズの仔たちの戦績を見ていくと、今年のダービーに出走したアジュールローズなど中央で3勝以上あげた仔が3頭と繁殖成績は優秀です。これらの仔たちと本馬を比較すると、ひとつの仮説を立てたくなります。それは「父にはスピードのあるタイプを持ってきた方が好ましい」という仮説です。
アジュールローズの父はヴィクトワールピサでHaloのクロス持ち、4勝をあげたローズノーブルの父はディープインパクトでHaloとSir Ivorのニアリークロスを持っており、スピード色の強い配合をしています。そして短距離路線で3勝をあげたローズミラクルの父はフジキセキで、産駒にはマイル以下の距離で活躍する馬が多いスピード色の強い種牡馬です。
これらと比較して、ディープブリランテはどちらかというと持久力に傾いている部分があり、配合のイメージ的にはスペシャルウィークやハーツクライを父に持つ姉たち(1勝,未勝利)のほうに似る可能性があります。
キャロットで募集された3頭の兄姉に関しても上がり3Fの上位率は低く、血統表のイメージ通りKaldounの「バテないけど切れない」という部分が色濃く出る牝系で、瞬発力・キレよりも持久力を押し出してくる配合だと言えます。こういった配合の場合は厩舎のレース選びや騎手の乗り方に戦績が左右されやすく、ストレスを感じやすい点は注意が必要です。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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