これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する賞金回収率を重視
・クラブ内世代トップ10を目指せるか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
イペルラーニオ
父:ディープインパクト
母:コスモチェーロ(12歳)
母父:Fusaichi Pegasus
5代目までのクロス:Halo 3×5、Northern Dancer 5×5
牡馬
募集価格:8,000万円
預託予定先:栗東・矢作芳人厩舎 (調教師データ分析)
コスモチェーロの仔はこれまで3頭がデビューして3頭とも勝ち上がり、合計9勝をあげており、中でも半兄ウインマーレライ(マツリダゴッホ)は重賞勝ちと繁殖能力の高さは確かです。またそれ以外の兄姉もロージズインメイ、ステイゴールドとの仔ということでどんな種牡馬相手でも結果を出すという点でかなり優秀に思えます。
近年の血統トレンドから言えば、クラシック路線には必須とも言えるNorthern Dancerのクロスを備えており、同時に今年のクラシックを席巻したHaloのクロスを持っているので、かなり良い印象が持てる配合だと言えます。
母方にはDanzigがありますが、これもディープインパクトとは相性がいいですし、ディープインパクトとミスプロ系の組み合わせはキレるタイプに出るケースも多く(デニムアンドルビーやラストインパクトなど)、血統表の字面からは「Haloのクロスで豊富なスピードと瞬発力を生み出し、母系のミスプロでその切れ味をさらに磨いている」というような印象を受けます。ただし兄姉たちの最速上がり率は低いので、その傾向を本馬も受け継いでいる可能性もあります。
あとは本馬が8,000万という募集価格を回収できるかどうかという部分が争点。重賞を勝った兄が5歳夏時点で約7,300万の賞金を獲得しています。父がディープインパクトに替わってパワーアップする可能性もあります。ここは素直にディープインパクトの底力に期待というところでしょうか。
少し気にしておきたいのは、ウインマーレライ自身はロードクエストやアルマワイオリなどと共通でBold Ruler×Princequilloのボルキロの血を持つマツリダゴッホ産駒の成功パターンでしたので、マツリダゴッホとの組み合わせがハマったという可能性もあります。
ただ、ノーザンファームが牡馬である本馬をわざわざ落札して募集しているのですから、ここは素直に信頼してもいいのではないかというのが筆者の見解。回収率の観点では大幅プラスという可能性は高くないかもしれませんが、重賞制覇などの目標であれば出資してもいいのではないでしょうか。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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