こんにちは。
競馬ブロガーの桜木です。
先日、JRAから来年の開催に関する変更点などが発表されました。
▼JRAのリリースページ
http://www.jra.go.jp/news/201610/101703.html
大阪杯のG1昇格など、いろいろ目玉はあるのでしょうが、ここではあえてその辺はスルーして、POG・一口馬主という観点で私なりの見解を書いてみようかと思います。
■見えてきた問題点
今年の競馬を見てきて、一番問題に感じたのは「スーパー未勝利出走難しすぎ」問題です。
この問題はいろいろな原因があるのでしょうが、夏のローカル競馬が短縮されたこともあって、問題がどんどん顕在化しています。
今年のスーパー未勝利ですと、8節空いていないと抽選にもかからないという異常事態なレースもありましたから、これらの問題に対してJRAがどう取り組んでいくのか興味深くはあります。
個人的には札幌開催をもう少し延長して、解決を図って欲しいようにも思います。POGの観点でいえば9月下旬前後に2歳重賞がなく盛り上がりに欠けるので、札幌2歳Sは従来の位置にあったほうが興行的にも盛り上がるのではないでしょうか。
いろんな方が記事に書かれていますが、その中身の良し悪しはともかく、函館競馬場&札幌競馬場をせっかくリニューアルしたのですから、そこでの開催を短くするJRAの戦略は効率的とは言えません。
■ホープフルS G1昇格問題
昇格問題と書きましたが、昇格自体はあまり問題だとは考えていません。
強いて文句を言うならば、中山2000mで世代限定G1を2つもやる必要があるのかという点。ホープフルS→皐月賞、連続して挑戦するG1が同舞台というのはあまりセンスを感じません。これは阪神JF→桜花賞も同じです。これは前から言い続けていることなので、ここでは深堀りはしませんが。
それよりも有馬記念後の28日にホープフルSが行なわれること、これが最大の愚策でしょう。
普通の競馬ファンの心理からして有馬記念後に2歳G1を持ってきても、そう盛り上がるはずがありません。そこは黙って東京大賞典に譲ってあげればいいのに…と思います。
結局、JRAには「G1開催は出来る限りバラバラにして売上を上げたい」という狙いがあるわけです。確かにバラバラに開催させることで、競馬新聞などの関連産業も売上が高値で安定しやすいでしょうし、JRA自体の売上も上がるでしょう。でも、その売上至上主義は世界の競馬から見るとダサいし、流れに乗れていないわけです。
たとえば、ジャパンCとジャパンCダートも土日だったとはいえ、同じ週末に開催していたわけです。こうするとたとえば、同じ陣営が芝とダートで両方の出走馬を出す、みたいな選択肢も出てきます。そして、同じ日にやれば、そこには世界各国の競馬関係者が集まり、お祭りムードが高まります。これをやっているのがドバイであり、香港であり、凱旋門賞です。
しかし、今はどうでしょうか。世界でも高額と言われるジャパンCは全然海外の有力馬が集まってこないわけです。馬が集まらないのには検疫の問題なども関係していますが、少なくとも世界から見て興行が盛り上がらないのはJRAのG1バラバラ作戦のせいです。
その観点で言えば有馬記念とホープフルSを別日にしたのは最悪、さらに言えば有馬のあとにホープフルSを持ってくるのは愚策中の愚策だと私は感じています。
■そんなことよりも先にやることあるでしょ、JRAさん?
あと、これも前から書いている話ですが、こちらは大切な話なので繰り返しておきましょう。
「いつになったら1200mの2歳重賞を増やすのか?」
はっきり言って、異常事態です。ファルコンSを1400mに延長してから「函館2歳Sから函館スプリントSまで1200m重賞がない」という異常事態が続いています。
そして、その間には1400m重賞はファンタジーS・京王杯2歳S・フィリーズR・ファルコンSと4つもあるわけです。いや、JRAさんに「1400mの強い馬をいっぱい育てたいんだ!」という熱いハートがあるんならそれでもいいんですよ? でも、1400mのG1なんてないじゃないですか。そのくせ1200mのG1は2つもある。もちろんいろんな条件があることは大切です。いろんなタイプの血が残るきっかけになりますから。でも、近年の1200m路線に対する不遇は異常です。
一口オーナーの観点でいえば、早熟のスプリンターなんて絶対に買えない。いや、個人的にはそういうタイプは好きなんですよ。でもJRAが「買うな!」って言ってるようなレベルで走るレースがないわけです。
血統を考えると、やはり血の速さというのは重要なわけです。その点、スピードを追求する1200m路線は競馬界にとってとても大切な存在なのです。クラシック偏重主義もいいですが、血統という観点においても、なんとかJRAさんにはこの問題の改善を図って頂きたいものです。
もういっそのこと、阪神JF・朝日杯FS・ホープフルSを同日にして、その日に1200mの2歳G1を入れてもいいぐらい。2歳G1デーをまとめて開催しちゃったらどうですか、JRAさん?
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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2016年10月25日 18:47
もういっそのこと、阪神JF・朝日杯FS・ホープフルSを同日にして、その日に1200mの2歳G1を入れてもいいぐらい。2歳G1デーをまとめて開催しちゃったらどうですか
これは大賛成です。
同一日にG1を複数開催という点では、JRAはすでに、地方競馬に遅れをとっています。以前、フサイチの総大将がJBCを盛り上げるということに大貢献されていましたが、JRAの上層部・幹部にあの人くらいはっちゃけたことをすぱっとできるような肝の据わったことは存在しないでしょう。そういう意味では、農林水産省の上のほうに、私の大好きな田中角栄先生みたいな人が出てきてくれることを祈るばかりです。
2016年10月25日 22:34
2歳の1200のGⅠ、あってもいいですよね。
現状夏が終わったら、なんとか距離を延ばそうとしますが
結局距離の壁に泣き、また夏が来るまで燻ってしまっています。
夏にスプリントに戻って復活!という馬もたくさんいましたが
復活できればいいですが、その頃には上がり目がない馬もたくさんいます。
早い時期に適距離にもっと出走できれば、もっと高いパフォーマンスが見られたのに・・・という馬も数多く。
カナロアの世界的な活躍で、スプリントだって熱くなることがわかったはずです。
早熟の短距離馬のことも、もう少し考えてほしいですね。
2016年10月26日 17:09
日本もジャパンカップデーのようなものを作ってほしいですね
短期的には売上は下がるかも知れませんが、定着すれば訪日外国人も呼び込めてお金を使ってくれるんじゃないかと思います
2歳戦に関しては仰る通りですね
私のドラフト指名馬のアットザトップもオープンで使える1200mのレースといえば福島2歳SやクリスマスローズSぐらいですかね
夏にデビューできなかった短距離馬には使いづらい番組になってます
2016年10月27日 20:49
>ゆうさん
JRAはビジネスはうまいですが、興行はヘタですね (^^;;
>黙殺常習犯さん
世界的には1200mの2歳G1ってそれなりにありますからね。日本だけない理由はよくわかりません。
>sea-biscuitさん
外国人を取り込むには、レースのリアルタイムでの配信、ならびにジャパンカップdayみたいなのが必要ですね。海外馬券の販売みたいにすぐに利益になることには興味あるんでしょうけど(苦笑)