これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
シェドゥーヴル
父:オルフェーヴル
母:ヒルダズパッション(9歳)
母父:Canadian Frontier
5代目までのクロス:ノーザンテースト 5×4, Northern Dancer 5×5
牡馬
募集価格:6,000万円
預託予定:木村哲也厩舎(美浦) (厩舎データ分析)
ヒルダズパッションの仔はキャロットクラブで3頭目の募集になります。1つ上の半兄ヴェルテアシャフト(ディープインパクト)はまだデビューしていませんが、ジークカイザーは7戦3勝。回収率という観点ではいまいちですが、これからも活躍できそうな点を考慮すれば及第点は与えられるのではないでしょうか。
ただ、ジークカイザーの成績で気になるのは、「ディープインパクト産駒なのに上がり1位がない」という点で、この原因を考えたとき、ある仮説に発想が及びました。それは「SS系種牡馬産駒で母系にSadler’s Wellsが入る場合、牡馬に出ると鈍重に出る」という仮説です。詳しい内容は下記の参考記事をご参照ください
【参考記事】母系Sadler’s Wellsの取扱説明書
http://pog-info.com/archives/4837
ヴェルテアシャフトの現時点の動きを見ていると、雄大な馬体がかえって邪魔しているのか少しもっさりしている部分があり、もしかすると母系に入っているSadler’s Wellsがなんらかの不具合を招いている可能性も考慮したいところ。そういう意味で牡馬に出てしまった本馬も、鈍重な部分が強く出て、あまり速い上がりが使えない可能性はありそうです。
ちなみに完全に余談ではありますが、本馬の1つ下はディープインパクトの牝馬。母10歳時の仔ということで、筆者のストライクゾーンですし、兄たちよりもキレが出るとするならば、かなりいい条件に思えます。今からツバをつけておくべきかもしれません。
あとオルフェーヴル産駒の傾向がまだ見えてこない中で、仮にオルフェーヴルがステイゴールドと似たような傾向を示すと仮定した場合、「父ステイゴールド+ミスプロ系の牡馬」というのは不振気味で、加えてステイゴールドとSadler’s Wellsの相性も微妙。一応、一番結果を出している馬には重賞2着4回のジャミール[獲得賞金17,838万円]はいますが、価格を踏まえると統計的にはプッシュしづらいというのが筆者の見解です。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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http://pog-info.com/archives/category/clubhorse/carrot2016
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