これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
サンルイス
父:ダイワメジャー
母:コンカラン(9歳)
母父:ジャングルポケット
5代目までのクロス:Northern Dancer 4×5
牡馬
募集価格:2,800万円
預託予定:上原博之厩舎(美浦)
「父ダイワメジャー+母父ジャングルポケット」は重賞2勝のソルヴェイグに代表される配合で、現3歳以上で6頭中4頭が中央勝ち上がり(.666)。獲得賞金上位1,2位がともにアスドゥクール(ソルヴェイグの母)の仔なので、ダイワメジャーとアスドゥクールの相性が抜群に良かっただけの可能性もありますが、検討する価値はあるとみます。
ただ筆者の配合の考え方でいうと、短距離志向の強いダイワメジャーにスタミナ色の強いジャングルポケットを持ってくる配合は、牧場側が意図している路線を読みづらいところで、こういうタイプはあまり好みではありません。これで母母方にノーザンテーストなどスタミナを強化する血が入っていれば面白いと感じるところなのですが、本馬はアルゼンチン血統なのでよくわからないというのが正直なところ。母自身が中距離路線で活躍していたのでそれなりにスタミナ・持久力はあるのでしょうが、それならダイワメジャーに何を期待しているのか? この点についてスッキリしない感じの配合です。少なくとも父・母父の組み合わせだけでソルヴェイグをイメージして出資するのは危険な気がします。
実際、馬体もそんな印象で、ダイワメジャー産駒の割に胴長に見えるシルエットで、そこまでスピードがありそうには感じません。測尺もかなり大きく出ており、デビュー時にどこまで大きくなってしまうのかという不安も先行します。ダイワメジャー産駒の大型馬はノド鳴りになるケースもそれなりにあるので、馬体・測尺からは不安が先行する1頭です。
本馬の1つ上には全兄がいるので、父ダイワメジャーで仔出しが良かったという読みもできそうですが、母母方の特徴が見えてこないだけに筆者は手が出ないタイプです。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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