これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
ヴィッテルスバッハ
父:ルーラーシップ
母:ケイティーズジェム(8歳)
母父:ディープインパクト
5代目までのクロス:なし
牡馬
募集価格:2,400万円
預託予定:池上昌和厩舎(美浦)
ルーラーシップ産駒は現3歳が初年度産駒で、その中で母父ディープインパクトは7頭いて本記事執筆時点で4頭が中央勝ち上がり(.571)。勝ち上がり率は及第点です。その代表は毎日杯3着のキセキですので、今後も配合の実績を積んでいく可能性はありそうです。
ここでポイント注目したいのは、筆者が昨年夏から掲げているルーラーシップ産駒の配合のミソとなる部分で、詳しくは コラム『ルーラーシップ産駒の血統考察』 をお読み頂きたいのですが、ルーラーシップ産駒は少し奥手(晩成傾向が強い)ので、早熟性を高めることがポイントになります。そこで有効なのがナスキロ(Nusrullah+Princequillo)の血で、この血が入るとダンビュライトのようにクラシックでも楽しめるようになります。
ただ本馬の場合は、8代目までにナスキロの血を含まず、晩成傾向が強くなりそうな懸念があります。一口馬主においては期間中に勝ち上がることが大切ですので、本馬に関してはツアーなどで仕上がりが早そうなのか、遅そうなのかをチェックしてみるといいかもしれません。
ちなみに本馬の母ケイティーズジェムは2016年の繁殖馬セールで売却されています。仔出しが良ければノーザンファームが簡単に手放さないだろうというのが筆者の見方ですので、本馬に関しては高い評価はできません。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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