これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
パッシングスルー
父:ルーラーシップ
母:マイティースルー(10歳)
母父:クロフネ
5代目までのクロス:Mr. Prospector 4×4
牝馬
募集価格:2,000万円
預託予定:黒岩陽一厩舎(美浦)
マイティースルーの仔は母に思い入れが強い方が多いのか、人気になりがちですが、どうしても筆者が気になるのは母父クロフネ問題。これによって体質・気性の問題が出やすくなっています。
実際、半姉マイティーハニー(ハーツクライ)は骨折とノドの疾患、半兄マイティーゴールド(ゴールドアリュール)もノドの疾患、半姉マイティーキュート(ダイワメジャー)は2度の屈腱炎と、体質のトラブルのオンパレードとなっています。
それでも種牡馬の中には母父クロフネを受け入れられる種牡馬もいます。本馬の診断では、ルーラーシップがその役割を果たせるのかについて検証していきたいと思います。
まず現3歳の1世代のみとなりますが「父ルーラーシップ+母父クロフネ」で抽出すると5頭中1頭のみの勝ち上がりとなっています。その1頭というのが京都新聞杯3着のダノンディスタンスで、これは良いサンプルです。ただ他の4頭についてもチェックしたところ、2頭は怪我(+1頭も怪我で引退した可能性が高い)。故障率40~60%ですから、「父がルーラーシップになっても母父クロフネ問題は解消しない」というのが筆者の見解。
それに加えて、ダート色が強い母系ですから牝馬に出てしまった点も評価しづらいところ。カタログにも【ダート路線】と書かれていますので、1,2勝はしてくれるかもしれませんが、それより上のクラス・戦績を求める方にはおすすめできません。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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