これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
タッチングムービー
父:スクリーンヒーロー
母:クライフォージョイ(5歳)
母父:サクラバクシンオー
5代目までのクロス:ノーザンテースト4×4, Northern Dancer 5x5x5, Hail to Reason 5×5
牡馬
募集価格:3,600万円
預託予定:奥村武厩舎(美浦)
まずスクリーンヒーローは、他のロベルト系種牡馬同様【牡馬優勢】の種牡馬であることを押さえておく必要があります。スクリーンヒーロー産駒の獲得賞金上位20頭のうち、牝馬はたったの3頭。今年のキャロットクラブでスクリーンヒーロー産駒は3頭募集されていますが、本馬は唯一の牡馬ということで性別傾向では本馬から検討を始めたいところ。
本馬の配合を見た時の第一印象で「キタサンブラックと同じ母父サクラバクシンオーで、スタミナを強化するノーザンテーストのクロスも入っているので、もしかしたら中長距離が向くかも」と感じました。そこで気になったのはスクリーンヒーロー産駒のノーザンテースト持ちがどれだけ結果を出しているかという点です。
結論から書くと、スクリーンヒーロー産駒のノーザンテーストのクロス持ちはそこまで結果が出ていません。
賞金上位だと、現5歳のナムラヒューマン(2,720万)が該当。この馬は本馬と共通でCozzeneの血も持っており、サンプルとしては有効かもしれません。
▼参考サンプル:ナムラヒューマン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102701/
ただ適性に関してはそこまで参考にならないでしょう。ナムラヒューマンはダートの短距離路線で活躍していますが、これはどちらかというとHaloのクロスが機能している結果で、スクリーンヒーロー産駒のHaloクロス持ちはダートの短距離路線での活躍が目立ちます(例:ヨヨギマック、ウインオスカー等)。その観点でみれば本馬はHaloのクロスは持ち合わせていないので、適性は似ないと筆者はみています。
筆者の直感通りに中長距離向きになるのか、それともナムラヒューマンのようにダートの短距離タイプになるのか? これについては2,3年後に検証したいと思います。
配合のポテンシャルについては、スクリーンヒーロー産駒の現状の成功パターンである「Never Bend持ち」や「Olympia経由のHyperionクロス」には該当せず、評価が難しいところ。ノーザンファームがわざわざ落札し、しかも牡馬である点を考えると、おそらく肉体的にいいものがあると評価されての募集ですから、馬体が見れるという方は出資してみてもいいと思います。筆者はわかりません。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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