これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
ルメッサージュ
父:ヨハネスブルグ
母:チアズメッセージ(16歳)
母父:サンデーサイレンス
5代目までのクロス:Northern Dancer 5×5
牝馬
募集価格:1,600万円
預託予定:大和田成厩舎(美浦)
「父ヨハネスブルグ+母父サンデーサイレンス」はヨハネスブルグの定番配合で、現3歳以上は12頭中6頭が中央勝ち上がり(.500)。その6頭の中からネロ・ホウライアキコと2頭の重賞ウイナーを輩出、期待度が高い配合です。
もう少し細かく配合をみると、一番安定して走れるのは「ヨハネスブルグ+SS+Mr. Prospector」で、ホウライアキコがこのパターンに該当。基本的には短距離での活躍を目指す産駒ですので、ミスプロ系の軽い血でスピードアップを目指すのが理想的だと言えます。
それを踏まえた上で、本馬の配合をみると半兄は目黒記念を制したクリプトグラム(キングカメハメハ)。その上にもダート戦線で活躍したプレファシオ(クロフネ)。ややスタミナ・パワーに寄った適性を遺伝していると推測されます。
父系と母系の組み合わせを考察するには、2通りの考え方があります。
ひとつは「父系(母系)の弱点を補う配合」。もうひとつは「父系(母系)の良さを伸ばす配合」です。本馬の配合は、どちらかというと前者の配合ですが、個人的にはヨハネスブルグに関しては後者のほうが結果を出しているので、配合としては微妙かもしれません。マイル戦線でも活躍した母チアズメッセージからどれだけスピード面を引き出せるかどうかという点がポイントになりそうです。
ちなみにヨハネスブルグ産駒の成績をチェックすると、ローカル競馬場の成績が圧倒的で、逆に東京競馬場ではほぼ好走がありません。この点からも長い直線で押し切るような底力を期待するよりは、素直にスピードがあることを期待するほうが適切だと言えます。馬体を見る上でも「スピードがあるかどうか」にフォーカスして診断するほうがいいでしょう。
ちなみに本馬の動画をチェックしたところ、左前脚の膝周辺に違和感がありましたので故障リスクを見積もっておくべきだとジャッジします。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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