これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
カテドラル
父:ハーツクライ
母:アビラ(12歳)
母父:ロックオブジブラルタル
5代目までのクロス:Northern Dancer 5x5x5
牡馬
募集価格:4,000万円
預託予定:池添学厩舎(栗東)
「父ハーツクライ+母父ロックオブジブラルタル」は現3歳以上で3頭中3頭が勝ち上がりと勝ち上がり率100%をマークしています。ハーツクライの母父にスピードのあるマイラーを持ってくるのは結果の出やすい配合、まさにそういう相性の良さが出た結果だといえます。
ただ上記の配合で気になるのは、勝ち上がった馬はすべて1勝どまり。上のクラスではまったく結果が出ていません。これをどう判断するか次第でこの配合への評価が変わってきそうです。まず好意的な見方をすると、上記の勝ち上がり3頭はすべて非ノーザン生産。アビラほどレベルの高かった繁殖がいなかったので、本格的な繁殖になったことでこれまでの3頭とは異なり上のクラスでも活躍できる可能性はあります。
一方、ネガティブな見方。この配合の比較対象として連想するのは「父ハーツクライ+母父スピニングワールド」の組み合わせ。ヌーヴォレコルトで知られるこの配合も勝ち上がり率100%で知られる堅実配合です(6頭中6頭が勝ち上がり)。この配合と母父ロックオブジブラルタルを比較すると、ロックオブジブラルタルのほうが獲得賞金のアベレージが低いことがわかります(母父スピニングワールド:11,901万、母父ロックオブジブラルタル:799万)。
今後、母父ロックオブジブラルタルのハーツクライ産駒からヌーヴォレコルトのような当たりが出てくる可能性は否定しませんが、とりあえず現時点においては本馬に対しては「1勝目が期待できる」という程度の評価に留めておきます。配合的には母系にNorthern Dancerのクロスがあるので、ある程度の早熟性も見込めるので、活躍するかはさておき1勝目をあげてクラシック挑戦を夢見るという期待はしてもよい配合だとジャッジします。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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