これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
ファナティック
父:ジャスタウェイ
母:グレイトフィーヴァー(19歳)
母父:Kaldoun
5代目までのクロス:なし
牝馬
募集価格:2,600万円
預託予定:松永幹夫厩舎(栗東) (厩舎データ分析)
【参考】新種牡馬分析[ジャスタウェイ]
http://pog-info.com/archives/4524
昨年の グレイトフィーヴァーの2015(アリュマージュ)の記事 で以下のように書いた1頭です。
配合全体のバランスを見た時に、欧州の重厚なハーツクライに、これまた欧州型のグレイトフィーヴァーの血が合わさることでどうしてもスピード不足になりそうな懸念は強いように思えます。もしハーツクライ系を狙うならば、1つ下のジャスタウェイ産駒を狙ってみたい
つまり、ジャスタウェイの母系にあるWild Againを筆頭としたアメリカンな血を取り入れることで、配合に軽さを取り入れていることが本馬の配合のキモとなります。
グレイトフィーヴァーの強みは完全アウトブリード配合で健康度が高く、またSS系からミスプロ系までどんな種牡馬でも堅実に走らせてくる点です。11番仔のルエヴェルロールまで9頭が勝ち上がりと驚異の勝ち上がり率の高さです。
ただ、ここまでプラスの面を強調してきましたが、基本的には19歳時の仔ということでリスクは高めに見積もるべきでしょう。
ここから先は相馬眼を持たない筆者の個人的な感想。1つ上のアリュマージュ(ハーツクライ)が良くも悪くも馬体にゆとりがあり長距離にも対応できそうだったのに対して、本馬は1歳の時点で骨格ががっしりしており、しっかりハーツクライとジャスタウェイの違いが出たように感じます。
カタログには「芝の中距離」とありますが、筆者はマイラーだとみました。この一族は、体型が中距離型でも、気性的にカッとなることがあり、マイルのほうが能力を出し切れるケースがあります。マイルで3勝をあげた半兄アーデント(ディープインパクト)がわかりやすい例と言えます。
母年齢が19歳とデータとしては大減点なので、ここを読んでいる読者の方にはおすすめはしませんが、ひさしぶりにこの母の仔としては血統・馬体で満足いく出来になったと思います。筆者はこの母の仔に大変お世話になっていますので、本馬は採算度外視で出資申込をする予定です。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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http://pog-info.com/archives/category/clubhorse/carrot2016
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