これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
ニードルズアイ
父:ルーラーシップ
母:サンドミエシュ(5歳)
母父:マンハッタンカフェ
5代目までのクロス:なし
牡馬
募集価格:2,400万円
預託予定:石坂正厩舎(栗東) (厩舎データ分析)
「父ルーラーシップ+母父マンハッタンカフェ」は現3歳世代にサンプルがおらず、印象での評価ですが少しスピードが足りなさそうな懸念があります。もっともマンハッタンカフェ産駒の中にはジョーカプチーノのようなスピードのあるタイプも出てくるので杞憂に終わる可能性もありますが、筆者はあまり好印象が持てません。
加えて、ルーラーシップ産駒は基本的に奥手なので、早熟性が高いかどうかは重要なポイント。ルーラーシップ産駒の早熟性を高めるには、ナスキロ(Nusrullah+Princequillo)の血が有効ですが、その血も含んでいませんので仕上がりが早いかどうかもツアーなどの情報収集の場でチェックしておきたいところ。
本馬に関しては、母母方にMonsunの血を含んでいますが、このMonsunはAureoleの血を含んでいます。このAureoleの血は「単騎でいくと強いが、馬群にもまれると脆い面がある」という特徴があります。
たとえば、Monsun産駒のピュアブリーゼが単騎逃げでオークス2着、また母父にMonsunを持つ現2歳のレーツェルが新馬戦を逃げ切り勝ち。本馬も逃げ切りで強い競馬をする一方で、馬群で揉まれたり、多頭数の競馬になるとあっさり負けてしまうような極端なタイプになる可能性がありそうです。
そして チェリーコレクトの記事 にも書きましたが、石坂厩舎は昨年2016年の時点ですでに複勝率が大幅に落ちるなど厩舎が勢いを失っている兆候が出ていたのですが、その傾向のまま2017年も厩舎成績は低迷。本記事を執筆時点でリーディング54位(昨年度は19位)と混迷を極めています。この原因がどこにあるのかは筆者にはわかりませんが、人気厩舎の看板を信用するには心配な現況です。
加えて、この厩舎は基本的に牝馬のほうがうまく、本馬は牡馬なので、この点においても不安があります。配合面と厩舎データからはあまりおすすめできません。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
——————————————
※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
▼2016年産の他の診断も見てみる
http://pog-info.com/archives/category/clubhorse/carrot2016
←他のサイトも見てみる