これまで長年、POGを運営してきた経験や、独自のデータ・傾向分析から競走馬への出資に関する考え方を書いていきます(当シリーズを初めてご覧になられる方はまず こちら に目を通して頂けると幸いです)
<出資馬選びの方向性>
・募集価格に対する回収率を重視(目標200%)
・クラブ内世代トップ10入りを目指せるか?
・重賞出走を目指せるレベルか?
<主な分析ファクター>
・血統・配合、種牡馬傾向、性別傾向
・出生時の母年齢
・DVDでの動き(故障・怪我のリスク)
・厩舎力、厩舎の方針、厩舎データ
アヴェンチュラの2016
父:ハービンジャー
母:アヴェンチュラ(8歳)
母父:ジャングルポケット
5代目までのクロス:Northern Dancer 5x5x5x5
牡馬
募集価格:5,000万円
預託予定:角居勝彦厩舎(栗東) (厩舎データ分析)
本馬の配合については、本馬と同血の エルミラドールの2016の診断記事 に書きましたので、そちらをお読みください。
配合評価の結論を書くと、芝中距離路線で高い素質を秘めている配合で、カタログが到着するまでは最優先候補でした。ただカタログの写真・動画の印象が微妙。全体的な筋肉のつき方は理想的なのですが、少し背たれっぽい印象で、たとえばレースを使ったあとに背腰の疲れがなかなか抜けない、そんなパターンが多そうなタイプに思えます。
目指す路線が芝の中長距離路線なので間隔を詰めて使うことは少ないでしょうし、そういう意味で大きなマイナスではないとは思いますが、当初の期待値が高かっただけにそれに見合うほどの馬体ではないかなというのが筆者の感想。
本馬については値付けの部分で議論がされることが多く、筆者は妥当な値付けだとは思うのですが、たとえば本馬と同じ「ハービンジャー産駒+牡馬+G1馬の仔」という条件だと、クローディオ(1億2千万円)やレジメンタル(6千万)がいます。クローディオはシーザリオ価格なので例外としても、半姉デサフィアンテが6千万円ですから、「この値付けは安い」という意見にも納得できる部分はあります。
疲労の問題に関しては名門・角居厩舎ですから、そこまで不安視しなくてもいいとは思いましたが、母が2回骨折したという経緯もあり、かつ募集時点で524kgという巨躯を考えると、筆者の中ではリスクが許容範囲を超えました。悩んだものの最終的には最優先候補からは外した1頭です。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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※母名の横の( )内の数字は本馬出生時の母馬年齢
※出資判断はご自身の責任でお願いいたします。責任は負いかねます
※写真などはクラブの許可を得て掲載しております
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