■申込内容
52.リリサイドの2017(父ロードカナロア) →最優先落選
09.マチカネエンジイロの2017(父ロードカナロア) →一般落選
まず世代全体に対する評価ですが、「悪い馬は少ないけど、惹きつける馬はほぼいなかった」という感じです。
実はこの感覚、2年前と同じだったりします。つまりキャロットの現3歳こと。この世代は勝ち上がり率こそ50%を超えて合格点こそ与えられますが、OP勝ちは現時点でアンフィトリテのみ。ハズレ世代といってしまうと可哀想ですが、物足りない世代です。
この感覚が正しいとすれば、G1・重賞を勝つような当たりはいないかもしれない。いたとしても1頭程度ではないか? これがこの世代に対する見解です。
そんな中で最優先をどれにするか最終日まで悩みました。
私のツイッターのフォロワーの方であれば、1年前からヒルダズパッションの2017に目をつけていたことはご存知かと思いますが、最終的にやめました。理由としては、周回展示の時に馬がおとなしすぎた点が気になったからです。よく言えばおとなしくて従順ですが、果たして競走馬として必要な闘争心に問題はないか? この点が非常に気になったからです。加えて、この配合は分析記事に書いた通り、末脚キレキレの配合ではなく、ある程度、前にいくような気性の積極性が必要で、このあたりの違和感が自分の中で最後まで解消されず、最優先から外すことにしました。
その一方で、周回展示で唯一、目を引いたのがリリサイドの2017。
配合分析では評価していなかったのですが、「ロードカナロア+Sadler’s Wells」はあまり結果が出ていないとはいえ、1世代のみの統計で決めつけるのは時期尚早だろうとの判断から一転して最優先で申し込むことにしました。
半姉リスグラシューの募集当時の分析記事 を読み返してみると、「柔らかさ」「可動域の広さ」「馬体の雰囲気の良さ」を取り上げていました。この評価はまさに今回の周回展示で感じた印象と同じ。しかも半姉も母系のSadler’s Wellsに対してネガティブに感じていた点も同じ(笑)。
これらを踏まえて「リリサイドの仔は馬体のフィーリングを重視するべきだろう」というのが今年の結論。それだけ “良い馬が持っているオーラ” をまとった1頭だと感じました。
今年に関しては、周回展示の公開がなければヒルダズパッションに申し込んでいたと思います。血統分析派が馬体のオーラに惑わされるという我ながら見苦しい結論に達してしまった点は反省しますが(苦笑)、この判断がどうだったのか数年後に検証してみたいと思います。
以下、毎年定番のピックアップです。
<クラブ馬内世代トップ10以内を狙えそう>
46.ディアマイベイビーの2017(父キングカメハメハ)
67.マラコスタムブラダの2017(父ダイワメジャー)
どちらも配合面や厩舎データで最も減点が少なく、かつ回収率200%を目指せる可能性があるという観点でピックアップしました。
この2頭のどちらかを最優先にすることも考えたのですが、ディアマイベイビーはどう考えても同じ父のレイデオロから2枚は劣る点、マラコスタムブラダは身体の大きなダイワメジャー産駒ということでノド鳴りのリスクがあり、最優先では行きづらいタイプだったので申し込みませんでした。
ただ、どちらも悪い馬ではないはずです。ディアマイベイビーは遅生まれが嫌われたかもしれませんが、ツアーでは430kg台。順調に体重が増えていますし、標準的な成長力はあるとみます。キングカメハメハの仔にしては筋肉量が物足りないとの評価もありますが、見た目がほっそり見えてもキングカメハメハ産駒は成長力があるので、そこは問題にしなくてもよいでしょう。そのことはレイデオロやカウディーリョが証明しています。
マラコスタムブラダに関しては2歳重賞出走&阪神JFが大目標という感じ。そこまでに賞金をどれだけ積むことができるか。そこの勝負だと思います。
<故障のリスクが高そう>
20.カメリアローズの2017(父キズナ)
28.イグジビットワンの2017(父ダイワメジャー)
60.アヴェンチュラの2017(父エピファネイア)
いつも書いておりますが、私が馬を見る重要ポイントは「故障リスクが高いか、低いか」であり、その技術向上・検証のためにこのシリーズを書いております。そのため、この結果をご覧になられて気分を害される方もいるかと思いますが、ご容赦頂ければ幸いです。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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