■1着 ラストドラフト
ノヴェリストが初重賞制覇。ノヴェリスト産駒の賞金上位は高確率で母系にSSを持っている(そもそもそういう意図で導入されたことが要因)。ノヴェリストの重厚さを母系のSSのスピードで中和することで配合のバランスをとっている。
なので、母馬自身がスピードを持っている配合のほうが現状成功している。先日2勝目をあげた同産駒のヴァイザーも母系はスピード色豊かなソニンクの牝系。
本馬の母は桜花賞馬のマルセリーナ。上記の解釈でいけば、まったく不思議ではない重賞勝ちだったと言える。加えて京成杯は過去、エイシンフラッシュ・クルーガー・ケルフロイデとドイツ血統を持つ馬が上位入線していた。この時期の中山の馬場がノヴェリスト(ドイツ血統)にフィットした。
本馬に関しては、下部で紹介する動画でも話した通り、母系はマイル寄りなので皐月賞までは対応可能だが、それ以上の距離延長に関しては疑問。そして上記で述べた通り、この季節の馬場を味方にした可能性は高い。今後、時計が速い春の中山で通用するかは慎重に見極めないといけない。ちなみにエイシンフラッシュは皐月賞で3着に来ているが、その時は稍重でパワーを要求された。そういう馬場になった時は再度、ドイツの血が騒ぎそうだ。
ちなみにノヴェリスト産駒はAureole色が強く、あまり揉まれる競馬が得意ではない。なので、今回、ルメール騎手が先手2番手をとって馬群で揉まれなかった点も大きかった。今後、本馬に関しては楽に先手をとれたり、もしくは外目の枠からプレッシャーをかけられずに進める展開・隊列が望ましいと推測される。
■2着 ランフォザローゼス
本馬はドゥラメンテと7/8同血。ドゥラメンテにウインドインハーヘアが加わった形になっている。
本馬はダイナカール牝系ということで、配合の良し悪しについては今更あまり触れることもないので割愛。今後の適性などについて軽く触れたい。
まず適性としてはドゥラメンテに似ていると考えてよい。今後、皐月賞が行われる中山2000mも問題ないし、東京2400mにも対応可能。今回、騎乗したマーフィー騎手も「2400mでも問題ない」とコメントしている。母系を中心にHyperionを重ねており、瞬発力よりは総合力に秀でたタイプ。スローの瞬発力勝負よりは、ある程度、ペースが流れたほうが力は発揮できるだろう。
本馬に関しては、今後の成長度合いに注目が集まるが、母父がディープインパクトになったことでドゥラメンテよりも早熟性が強いと予想。しかし同時期のドゥラメンテと比較した場合、スケール感は劣るので、今後は少し厳しい戦いが予想される。
■3着 ヒンドゥタイムズ
事前の動画でも紹介した通り、「ハービンジャー+SS+Nureyev」の組み合わせは中山2000m適性が高い組み合わせ。ペルシアンナイト[皐月賞2着]やプロフェット[京成杯1着]が該当する。
父ハービンジャーに限らず、「SS+Nureyev」の組み合わせは中山2000mなど内回りのような機動力が求められるコースで力を発揮できる。その点、今回の中谷騎手の内を回した騎乗はこの馬のパフォーマンスを大いに発揮させた好騎乗だったと言える。今後、皐月賞トライアルなどで好走するためには内枠が望ましい。
本馬に関しては母系のダート色が強く、今のパワーを要求される中山の馬場が合った可能性は高い。今後、時計が速くなった場合は未知数。配合的に皐月賞>ダービーというタイプなので、なんとか次走で賞金を加算したいところだろう。
■編集後記
京成杯については、新しい試みとしてYouTubeで事前に血統の分析を公開してみました。
特に深い理由はないのですが、新しいアクセスを呼びこもうとか、そんな感じの試みであります。このサイトは昔からの方に支えられているので、今さら何かを変えたいという感じでもないのですが、ただ新しいことをやっていかないと自分自身に飽きが来るということもあって、今回は動画をつくってみたわけです。
そんな初めての動画で「◎ラストドラフト、穴馬ヒンドゥタイムズ」という良い予想をできました。こうなると人間、欲が出てきます(笑)。今週末もいい予想を出したいと思うのですが、AJCC・東海Sともに血統予想が難しいメンバーが揃いました。かなり多くの馬が過去の好走条件に該当しており、絞り込みが難しい予感。さすがに2週連続でいい結果とはならないでしょうが、実験コンテンツとして気ままにやっていくつもりですので、ご興味がある方はチャンネル登録などして頂ければ幸いです。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
バックナンバーはコチラ