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【桜木悟史の戯言】競馬はつまらなくなったのか?

| 2件のコメント

事件は先週のNHKマイルで起こった。断然人気に支持されたグランアレグリアが斜行、5着に降着となった。この結果、ルメール騎手は3週間の騎乗停止。ダービーで1番人気に支持されるであろうサートゥルナーリアや目黒記念出走予定の有馬記念馬ブラストワンピースの騎乗変更が発表された。

サートゥルナーリアはオークストラリアから戦線中にD.レーン騎手に、ブラストワンピースは今回、初めてルメール騎手が乗る予定だったが騎乗停止となったことで池添騎手に手が戻ることとなった。

この一連の経緯に一部の競馬ファンからは「短期免許の騎手にダービーを任せることに興ざめした」「そもそもなぜ池添騎手を変える必要があったのか?」などの意見を見かける。そうした事態を受けて「最近のノーザンファーム主導の競馬はつまらない」という意見も見かける。

彼らの意見は理解できる。昔ながらの主戦ジョッキーがいて、ライバル同士が戦う。そういう競馬が盛り上がることは確かだろう。だから、そういう昔ながらの競馬を理想像とすればそういう意見もわかる。

しかし、そう考える一方で「ノーザンファームが強くなったことで競馬が面白くなった点」も考慮しなければアンフェアではないだろうか?

たとえばノーザンファームの馬を筆頭に日本馬のレベルが上がったことで、日本馬の海外遠征が増え、日本の競馬ファンが興奮・感動するシーンは確実に昔よりも増えた。ノーザンファームが海外のレースを勝とうとしなければ、日本の競馬ファンは大きな機会損失をしていたとも言えるのではないだろうか?

今回の一件に関しても、たとえばサートゥルナーリアの鞍上がD.レーン騎手に決まったことに批判は多いが、極端な例を挙げれば、これがデットーリ騎手に依頼していたら盛り下がっていただろうか?

日本に初めて来たD.レーン騎手への馴染みのなさも今回の否定的な意見につながっているようにも映る。しかし世界的にみれば、D.レーン騎手は25歳にしてG1を何勝もするような有望な騎手である。こうした世界的な騎手がダービーの舞台で観れるという楽しみとして捉える見方があってもいい。


加えて、今回の一件は想像力を働かせれば、いろいろとノーザンファームの思惑が垣間見られる点も面白くはないだろうか?(面白いと感じるかは個人の感性によるが)。

たとえば、サートゥルナーリアはデムーロ騎手に戻すという選択肢もあったはずだが、そうならなかった理由は何なのか? 真相はわかりかねるが、ここに想像力を働かせるのも競馬の楽しさとは言えないだろうか?

ブラストワンピースについてもそうだ。ノーザンファームの主張を前提とするならば、凱旋門賞を目指すためにルメール騎手を乗せることになったわけだが、ここから推測するにノーザンファーム内でサートゥルナーリアとブラストワンピースの評価は明確な差がない状態だと言える。仮にノーザンファームの中でサートゥルナーリアが絶対的な評価であれば、今回のようなテストをする必要がないからだ。

こういう目に見えない部分はどうでもよい、面白いと感じない人にとって現代の競馬は面白味がないことは確かだろう。こうした意見も確かである一方で、今の競馬を普通に楽しんでいるファンもいる。そうでなければ近年、競馬の売り上げがアップしていることの説明がつかない。

そして今の状態が面白いと感じている人は積極的にSNSで意見を述べることはない。

競馬に限った話ではないが、批判は積極的に発信されるし、それが目立つ社会になっている。個人や会社が、ごく一部の「気にくわないこと」を起こして、叩かれる・炎上する。こういう時代だからこそ、フラットに物事を見る意識が大切になってくる。

筆者が競馬に本格的にのめり込んでいったのはテイエムオペラオーの全盛期だが、当時のテイエムオペラオー・和田とメイショウドトウ・安田の激突は面白かった。しかし、それから時代が流れて競馬がつまらないようになったかといえばそんなことはない。それは上にも記した通り、海外競馬などの楽しみが増えたこともあるだろうし、本質的には競馬は馬の戦いだと見ているからである。

海外競馬に対して日本の主力の馬が目の前で観にくくなっていることに不満があるファンもいるだろうが、実はこの問題は「日本から一方的に出て行っている」ように感じるからこその不満かもしれない。仮に海外からの遠征馬がもっと増えて、日本のレースの国際色が強まれば、この印象もだいぶ変わってくるのではないだろうか?

相当難しい道のりではあるが、たとえばジャパンCが世界的に凱旋門賞のような位置づけになれば日本馬の海外遠征に対する意識は変わってくるだろう。ジャパンCデーのカーニバル化や海外の競馬ファンに向けたレース映像の配信などできることはまだまだあるはずだ。

その中で海外の強い馬が来日してノーザンファームの馬を倒す。そしてノーザンファームが勝とうとレベルアップする。こうして競馬は盛り上がる。

ノーザンファームの勝ちにこだわる姿勢は否定してはいけないし、ノーザンファームのように特定の騎手を優先的に乗せることは海外でも珍しいことではない。あのウィンクスやクラックスマンだって鞍上の都合でレースを選ぶことはある。

こうした考えが正しいと押し付ける気はないが、競馬の国際化が進んでいくのであれば、ファンも昔の理想像に固執するのではなく、意識を国際スタンダートのほうに合わせていくほうが前向きに競馬を楽しめるのではなかろうか。

(文=桜木悟史) @satoshi_style

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2件のコメント

  1. 一昔前は社台1強で武豊騎手に有力馬が集中して、つまらないと言われた時代がありましたからね。
    いつの時代もそういう声が沸くものだと思ってます。
    レーン騎手は若い頃のデムーロ騎手のような勢いを感じます。
    デムーロが乗ったネオユニヴァースの時のように日本ダービーを勝てば世界に名を売るチャンスになると思います。

  2. >sea-bisucuitさん
    結局は個人の価値観によるんでしょうね。オペラオーの時代にも「他が弱すぎる。つまらない」という意見もありました。でも群雄割拠みたいな勢力図になったらなったで「スターホースがいない」となるんですよね(苦笑)

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