今年もキャロットクラブの分析記事を書いていく予定ですが、その前に血統的に対する考え方の話を書いていこうと思います。
筆者の分析記事の中で近年よく「クロスに呼応する血」というような表現をしますが、そのあたりの考え方の説明をしていなかったかと思いますので、今日はそのあたりの認識の話を簡単に説明しておこうと思います。
私が一口馬主になって約10年、最初の2年ぐらいは馬体を見れるようになりたいというような憧れもありましたが断念。自分のライフスタイルと照らし合わせて血統分析派を志すことになりました。その中で、キャロットクラブの会報誌に掲載されている望田潤氏の連載『血は水よりも濃し』や栗山求氏が毎年発行する『パーフェクト種牡馬辞典』などはもちろん、その他の血統に関する書籍や、遺伝子に関する書籍などにも目を通すようになりました。
その中で、ひとつ自分が注目しているインブリードの形が「E配合」と呼ばれるクロスです。
端的に表現すると「父母にまたがった3重クロス(ニアリークロスも含む)」なのですが、父もしくは母がクロスを内包している時に、そのクロスがもたらす属性を他方の血でもう一度、クロスされるとその属性がかなり強調されるという考え方です。栗山氏あたりは「クロスを継続する」というような表現をされています。
ただ、ここで誤解して頂きたくないのは「3重クロスを持っていたら高評価になる訳ではない」という点です。むしろ交配のさせ方次第で悪い部分の特徴が強く打ち出される可能性もあるので、取り扱い方が難しい考え方でもあります。
たとえば、今年募集される新種牡馬ではキタサンブラックがLyphardのクロスを内包しています。この場合、Lyphardを持つ母を繁殖にあてるとLyphardのE配合になります。こうなると、Lyphardの【スタミナ色】が強調されます。スタミナがあるに越したことはないですが、あまり強調されすぎてしまうと長距離向きになってしまい、期間中の勝ち上がりが難しくなる可能性があります。
筆者の場合は血統の系統を【スピード[短距離適性]】【スタミナ[長距離適性]】【パワー[洋芝・ダート適性]】【持久力】【爆発力】という5つの属性に分類しており、父もしくは母がクロスを内包している場合、その馬(父or母)の戦績を確認、その系統の特徴が反映されている戦績かどうかチェックします。
※たとえば、募集馬の母馬がスピード属性のHaloのクロスの持っている場合、「マイル以下に適性があるか?」や「先行できるだけのスピードがあったか?」をチェックします
その上で、そのクロスが望ましいクロスであれば、そのクロスが継続されることをプラス評価し、逆に望ましくないと考えたなら評価を下げます。
繰り返しにはなりますが、E配合のクロスを持っていると能力が高くなるという訳ではありません。筆者の場合は能力の方向性が明確である・予測できることを出資において重要な判断要素としており、E配合の有無やその属性をチェックするようにしています。
(文=桜木悟史) @satoshi_style
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2020年8月8日 11:19
昔はインブリードって言ってましたね
奇跡の血量とか・・・・
今でも言うか???
クロスがきついと虚弱だとか、全くクロスがないのは健康体であるとか・・・・笑
かつてずっと待ち望んでいた配合があって(ただの好みなんですが)
マルゼンスキー×アイリッシュダンス
まさか競合関係にあるであろうマルゼンスキーを社台がかけるはずはないと思っていましたので期待は全くしてなかったのですが
心底見たかったなあと思っています。
全く関係のない話で失礼しました、お許し下さい。